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» 2018年01月12日 13時00分 公開

MONOist 2018年展望:3D CADの中でポリゴンとソリッドは歩み寄り、先輩から教わった常識を壊す時が来る (1/2)

2017年は3Dプリンタ連携強化に伴う、ポリゴンとソリッドが歩み寄るような機能実装がさまざまな形で進んだ。2018年以降も引き続き両者は歩み寄り、メカ設計はより複雑化していくと考えられる。

[小林由美,MONOist]

 同じ3Dデータであっても、ポリゴンとソリッドは生い立ちも構造も全く違う。話題になった3DプリンタではSTLなどのポリゴンデータを用いて出力するが、製造業においてはその元データが3D CADで設計したソリッドデータである場合が多い。意匠デザイナーはサーフェスモデラーやポリゴンベースの3Dモデラ―を使い、メカ設計側はソリッドベースの3D CADを使うが、その両者では感性の壁と併せ、ツールの壁も存在してきた。

 3Dプリンタブームの山を越えながら、CAD側の機能もポリゴンへ歩み寄るものが少しずつ増えつつある。メカ設計側が作成する形状はどんどん複雑化してきているが、製造法やITツールの進化に伴い、さらに複雑化は進んでいくだろう。そのような背景から、ポリゴンデータ編集への要望や機能実装はますます増えていくと考えられる。

3Dデータ形式と、役割:「隣の人は何するものぞ」(MONOist)より

 3D CADでSTLを編集しようとした場合、かつては読み込んでも単に参照するだけ、あるいは前もってソリッドに変換しておくしか手段がなかったが、そのあたりの事情もこの数年、各社のCADでだいぶ改善されてきた。シーメンスPLMソフトウェアが開発するモデリングカーネルであるPARASOLIDでは、ポリゴン(ファセット)とソリッド(B-rep)が混在した状態かつ同一の環境で編集可能になった。CADベンダー各社は引き続き3Dプリンタ(積層造形)との連携強化を進めていることもあり、ポリゴンデータ処理に関する機能は、2018年以降も引き続きブラッシュアップしていくと考えられる。

 技術としては以前からある位相(トポロジー)最適化だが、3Dプリンタブームと相まって、こちらも3D CADの一機能として組み込まれる動きが進んだ。位相最適化は、ユーザーがあらかじめ指定した3Dモデルの元形状と荷重などの条件に基づき、ソフトウェア側が自動で強度的に最適な形状を算出する仕組みだ。この仕組みではソリッドではなく、ポリゴンデータを用いて処理される。

 位相最適化ソフトは約10年前から3D CADやCAEと連携する設計支援ツールとして提供されていた。過去に聞こえてくる事例は、大手自動車メーカーや部品サプライヤーなどからの発信が多く、多くが部品の軽量化を目的としており、ハイエンドシステムでの解析事例といった印象が強かった。

 位相最適化技術として、製造業ではFE-Designの「TOSCA」がよく知られ、自動車設計関連の事例がよく聞こえてきた。FE-Designは2013年、ダッソー・システムズ(ダッソー)に買収され、現在はダッソーのシミュレーション製品群「SIMULIA」に統合された。

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