「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像
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» 2018年01月23日 06時00分 公開

モビリティサービス:クルマの鍵を持たずに、必要な時にサービスとしてクルマを使うには

Continental(コンチネンタル)は、消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2018」において、生体認証やスマートフォンでクルマを解錠、始動する技術を紹介した。

[齊藤由希,MONOist]
クルマも顔認証が鍵代わりに(クリックして拡大)

 自動車を所有せず必要な時にサービスとして利用する使い方「MaaS(Mobility-as-a-Service)」の拡大に向けて、配車サービスを手掛けるIT企業だけでなく、自動車業界も準備を進めている。

 自動車を所有しないことで自動車部品の在り方も変わる必要がある。例えば、いつ、どのクルマに乗るか分からないのに特定の車両の鍵を持つことは難しい。スマートフォンや人間の顔、声、指紋、虹彩といった生体情報が従来の鍵の代わりになっていきそうだ。

生体認証が鍵の代わりに

実験車両の車内。ルームミラーで顔と虹彩、声の認証を行う。シフトレバー近くには指紋認証用のセンサーがある(クリックして拡大)

 Continental(コンチネンタル)は、消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2018」(2018年1月9〜12日、米国ネバダ州ラスベガス)において、生体認証で解錠、始動する実験車両を披露した。顔や指紋などの情報を事前に登録してクラウド側に保存、クルマの鍵として使った。

 まず、車両に乗り込む際には、サイドミラーに内蔵したカメラで顔認証を行う。あらかじめ登録した情報と一致すると、クルマのドアを開けることができる。続いて、クルマを始動するためには、複数の生体情報で認証を受けるという手順だ。

 実験車両のルームミラーには、虹彩や顔を識別するためのカメラや、音声認証用のマイクを内蔵している。カメラは、眼球のクローズアップと顔全体を撮影するため2台に分けている。コンソールには指紋認証用のセンサーがある。認証の項目が多く煩雑かと思いきや、ルームミラーに少し顔を向け、一言二言発話し、指をセンサーに添えるだけなので、動作としては少なく済む。

指紋認証用のセンサー(左)。ルームミラーのカメラはデモ用にレンズが見えるようにしてあるが、レンズを目立たないようにすることも可能(右)(クリックして拡大)

 こうした生体認証は、鍵の代わりとするだけでなく、運転中に発生する支払いの決済にも提案していく。カメラはレンズを隠した状態でもルームミラーに内蔵可能で、ルームミラー以外の位置にも搭載可能だとしている。また、運転中のドライバーの状態監視などさまざまな用途でも兼用できるという。

サービスとしての鍵

 この他にも、Bluetooth Low Energyによってスマートフォンやウェアラブルデバイスを、偽造できない仮想的なクルマの鍵として使うデモンストレーションも紹介した。アプリをダウンロードした個人の端末を持っていれば、自動でクルマのドアが開くというものだ。車両の補機バッテリーの電力が低下している場合や、鍵となる端末自体のバッテリー残量がなくなった場合にも確実にドアを開けられるようにしている。自動車メーカーや車種に関係なく、後付けで「Key-as-a-Service」を始められる点が強みとなる。

スマートフォンをクルマの鍵として使う。端末を身につけてさえいれば自動でドアを開けることもできる(左)。スマートフォンがバッテリー切れでもドアにかざせば解錠可能(右)(クリックして拡大)

 こうした形で鍵も必要なときにサービスとして利用するKey-as-a-Serviceは、レンタカーやカーシェアリング、社用車など複数人で利用する車両でメリットが見込まれるという。また、個人が所有するクルマの荷室に配達の荷物を届ける物流サービスや、クルマを預けて行うメンテナンス、バレーパーキングなどもターゲットとしている。

 コンチネンタルのKey-as-a-Serviceの取り組みは、実際のレンタカーでも採用される。エイビス・バジェット・グループ(Avis Budget Group)と協力し、米国ミズーリ州カンザスシティのレンタカー拠点でキーレスレンタカーとして利用が始まる。

 レンタカーの貸し出しやマイカーのメンテナンスなどで必ず発生する鍵の受け渡しや、会員証を利用するサービスの数だけ持ち歩く手間が低減することにより、自動車を所有せず必要な時にサービスとして利用する使い方がより便利なものとなっていきそうだ。

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