エレキバンのピップが“シンの”トヨタ生産方式で改善した海外生産物流のヒミツ鈴村道場(8)(1/4 ページ)

トヨタ生産方式の達人・鈴村尚久氏による連載コラム「鈴村道場」。前回に引き続き、“シンの”トヨタ生産方式の実践事例を紹介する。「ピップエレキバン」などの健康商品で知られるピップは、“シンの”トヨタ生産方式によって、海外生産品の物流を改善したという。

» 2018年02月06日 10時00分 公開

 今回は、海外生産品の物流改善に対する“シンの”トヨタ生産方式の実践事例として、ピップの取り組みをご紹介します。

1.導入の背景

 ピップは「人々の心身の健康に貢献する企業の実現を目指します。」の経営理念で、

「ピップエレキバン」「ピップマグネループ」「ピップスリムウォーク」と誰もが知っている健康商品を提供する製造業です。

 筆者がピップの指導を行うことになったのは17年前に在庫管理の方法を教えて欲しいと私に依頼があったことがきっかけです。工場を見に行くと建屋のほとんどが倉庫と化していました。天井まで在庫が届いており、通路をふさいでいました。

 同社社長の藤本久士氏(現会長)がその様を見ながら「一度でいいから通路をスタスタと真っすぐ歩いてみたい」と嘆いていました。当時は必要なものがどこにあるか、不要なものがどれなのか倉庫担当者は全く分からず、夜中までかかって倉庫へ物の出し入れをしており、憔悴しきっていました。

図1 図1 ピップ

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