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» 2018年02月06日 10時00分 公開

鈴村道場(8):エレキバンのピップが“シンの”トヨタ生産方式で改善した海外生産物流のヒミツ (3/4)

[エフ・ピー・エム研究所 鈴村尚久/構成:株式会社アムイ 山田浩貢,MONOist]

(2)海外生産拠点に対する後補充生産導入の手順

 国内生産で導入した製品ストアの整備や後補充生産の手法を、海外生産拠点からの物流改善に展開しました。

トータルリードタイムの把握

 物の流れとしては、海外拠点を出てから船に乗り、日本の港で通関を通って、外部倉庫で一時保管します。そこから「ピップ材料ストア」⇒「工程」⇒「製品ストア」の流れで製品ができます。まず、この海外拠点〜製品ストアに入るまでの日数を分析しました。

 たいていは、海外から手配すると一律で3〜4カ月かかると皆さん答えます。物流リードタイムだけで2週間とか3週間と言われます。ここで具体的に調べていくと、通関、出

航、休日で余分な日数をとっていることが多いのです。

 本当に正味に必要な時間を確認すると何日もリードタイムを短くすることができます。私の経験から見て、出発地〜日本までの間で1週間程度リードタイムを短縮することが可能でした。こうしてできる限り余分なリードタイムを削減すれば、在庫の削減にもつながります。

在庫見える化ボードの作成

 次に、在庫見える化ボードを使用して、海外生産拠点の製品倉庫の在庫、船で輸送中の在庫、外部倉庫、国内材料ストア在庫の見える化を行いました。

 ここでのポイントは、荷姿1つを1枚の付箋紙にすることです。普通は数量を書きますが、箱数を付箋紙で表現することにより、在庫量が視覚的、直感的に分かりやすくなります。

 そうすることで、多過ぎるものは減らす、少な過ぎるものは増やすという対応が迅速にできるようになります。

後補充生産仕組みの導入

 最後に、国内でかんばんが外れると海外生産拠点に指示を飛ばすようにしました。

 ここでのポイントは、日本で使用した時に外部倉庫の引き取り指示をかけると同時に海外の生産拠点にも飛ばして、その海外生産拠点の製品ストアから船積予定置き場に移動することです。

 そうすることで、海外工場はコンテナを引いてきたときにはピッキングが終わっている状態を作り出します。それは確実に国内で売れたモノしかありませんので、欠品や余剰防止につながります。

平準化の考慮

 しかしながら上記のルールでやっていてもうまくいきません。ただでさえ、リードタイムが10日以上かかるとなると国内で平準化生産をしないと、在庫の消費が安定しません。

 具体的には、黒黒黒、赤赤赤、青青青と日単位に作ると、日毎に黒の在庫が不足したり、赤の在庫が余剰になったりします。黒赤青、黒赤青、黒赤青と生産していれば在庫の消費が安定する為、欠品や余剰防止につながります。これらのことから平準化の考慮は重要なのです。

図3 図3 実施内容例(クリックで拡大)

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