コニカミノルタの無線対応X線撮影装置がTRONベースリアルタイムOSを採用組み込み採用事例

イーソルは、同社のリアルタイムOS「eT-Kernel MCE(Multi-Core Edition)」をコアとするソフトウェアプラットフォームが、コニカミノルタのカセッテ型デジタルX線撮影装置「AeroDR fine」に採用されたと発表した。

» 2018年02月09日 08時00分 公開
[MONOist]

 イーソルは2018年1月24日、同社のソフトウェアプラットフォームが、コニカミノルタのカセッテ型デジタルX線撮影装置「AeroDR fine(エアロディーアール ファイン)」に採用されたと発表した。

 AeroDR fineは、無線でX線画像データ送信ができるワイヤレスタイプのX線撮影装置。優れた耐環境性能と操作性を備え、放射線科撮影室や病棟回診、ICU、手術室、救急医療、災害現場など、幅広い場面で活用されている。

photo カセッテ型デジタルX線撮影装置「AeroDR fine」 出典:イーソル

 このAeroDR fineに今回採用されたのは、同社のマルチコアプロセッサ対応のTRONベースリアルタイムOS「eT-Kernel MCE(Multi-Core Edition)」をコアとするソフトウェアプラットフォームだ。これに加え、組み込みシステム向けにチューニングされたTCP/IPスタックと開発環境「eBinder」も採用された。

 eT-Kernel MCEは、独自の「ブレンドスケジューリング」技術を活用している。これにより、1つのシステム・OS上で高いスループットを達成するSMPと、シングルコア向けソフト資産の再利用やリアルタイム性を保証するAMPのメリットを両立した。

 また、TCP/IPスタックは、BSDソケットインタフェースにより、LinuxなどのUNIX系OSのソフトウェア資産を有効に活用できる。ソフトウェア開発に使用するeBinderは、eT-Kernel MCEと緊密に統合され、複雑なマルチコアシステムのデバッグや解析をサポートするさまざまなツールを提供する。

 これらを採用したことで、AeroDR fineの通信パフォーマンスが向上した。撮影後すぐに画像を転送してアイドルモードに移行することで、消費電力を低減できたとしている。

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