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» 2018年03月23日 06時00分 公開

モビリティサービス:バッテリーを交換して走る電動車の普及へ、富士通とベンチャーが協業

富士通と電気自動車(EV)ベンチャーのFOMMは、バッテリー交換型EVのクラウドサービスに関して協業する。

[齊藤由希,MONOist]
2018年12月からFOMMが量産する超小型EV(クリックして拡大) 出典:FOMM

 富士通と電気自動車(EV)ベンチャーのFOMMは2018年3月22日、バッテリー交換型EVのクラウドサービスに関して協業すると発表した。

 FOMMは2018年12月からEVをタイ向けに量産するのに合わせて、車両のバッテリー残量やバッテリー交換ステーションでの充電状況、バッテリーの交換予約などを把握するためのクラウドサービスを展開する。富士通は、バッテリー管理技術と位置情報活用のクラウド基盤「SPATIOWL(スペーシオウル)」を組み合わせてFOMMに提供。また、バッテリー残量で移動可能な範囲の予測や、バッテリーの劣化の推定に必要な解析技術など富士通の人工知能(AI)技術もFOMMのサービスで活用する。

バッテリー交換型EV向けのクラウドサービスのイメージ(クリックして拡大) 出典:富士通

 FOMMは2018年末から4人乗りの超小型EV「FOMM 1.0」を量産する計画だ。車両は2018年3月8〜18日に開催された「ジュネーブモーターショー2018」で披露しており、同年3月28日に始まる「バンコク国際モーターショー2018」でも披露する。FOMM 1.0は全長2585×全幅1295×全高1560mmで、容量2.96kWhのリチウムイオン電池を4つ搭載する仕様だ。走行距離はWLTCモードで160km。車両購入時にバッテリー向けクラウドサービスに加入する必要がある。

 従来のEVのようにコネクターを接続して充電するのではなく、ステーションや家庭で充電した交換型バッテリーと入れ替えることにより、充電の手間や待ち時間を解消する。車両の組み立て時にバッテリーを搭載する従来のEVと比較して、車両価格に占めるバッテリーのコストを低減できる点も特徴だとしている。バッテリーは、車両台数に対し4倍程度の個数を流通させる考え。車両の販売と合わせて、バッテリー交換ステーションの配備も進めていく。

 バッテリー管理のクラウドサービスは、ドライバーが車両の電池残量を正確に把握して適切なタイミングでバッテリーを交換できるようにする。ユーザーがステーションでバッテリーを交換するための予約の他、バッテリーの管理者が稼働状況やバッテリーの状態、特性の変化を詳細に把握できるよう情報を提供する。

 富士通は、電動バイク向けのバッテリー管理の実証で培った知見を提供する。また、走行する場所の地形や渋滞などがバッテリー残量に与える影響をモデル化し、走行可能距離や、バッテリーの動作、劣化度を高精度に予測するため、富士通のAI技術「Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」も活用する。

ホンダも取り組むバッテリー交換型モビリティ

 バッテリー交換型の電動モビリティは、台湾のベンチャー企業Gogoroが台湾やドイツなどでシェアリングサービスとして展開中だ。Gogoroの電動バイクのリチウムイオンバッテリーはパナソニックが供給している。

 また、ホンダは、電動バイクの交換用バッテリーや家庭用の電源として使用できる持ち運び可能な蓄電池「モバイルパワーパック」を開発中だ。ホンダは2018年にはフィリピンやインドネシアでモバイルパワーパックを使った実証実験を行う他、同年中に交換式バッテリーで走行する電動バイクの投入も予定している。

Gogoroの電動バイクに使用する交換用バッテリー(左、中央)。バッテリーはシートの下に収納(右)(クリックして拡大)
ホンダが開発する持ち運び可能な蓄電池「モバイルパワーパック」。電動車の駆動用バッテリーだけでなく、家庭での電源としても使用することを想定している(クリックして拡大)
ホンダのモバイルパワーパックを電動車した搭載イメージ。2018年のCESでは、荒れた路面も走行可能なEVの車台を披露した。さまざまな架装を施して広い用途に対応する(左)。モバイルパワーパックとは形状が異なるが、バッテリー交換型の電動バイクのコンセプトを披露している(右)(クリックして拡大) 出典:ホンダ

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