二次電池各社の進む道、それぞれの先進技術と抱える課題モノづくり最前線レポート(1/2 ページ)

「第9回 国際二次電池展」の基調講演では、マクセルホールディングス、BYD、CATL、Teslaなど、日米中の二次電池関連各社が登壇。先進技術動向と抱える課題などについて説明した。

» 2018年03月23日 11時00分 公開
[長町基MONOist]

 「第9回 国際二次電池展」(2018年2月28〜3月2日、東京ビッグサイト)の基調講演では「開発が加速する次世代電池の最新事例」をテーマに、日本のマクセルホールディングス(マクセル)、中国BYD Company(BYD)、Contemporary Amperex technology(CATL)、米国Tesla(テスラ)が、それぞれの最新技術と取り組みの方向性について紹介した。

乾電池技術を源流に持つ高信頼性を訴えるマクセル

 マクセルは、電池事業の展開を乾電池からスタート。53年間「日立マクセル」の社名で、国内の電池産業をけん引してきた。2017年の10月1日付で持株会社体制へと移行し、これまで以上に経営の独立性を高めて、グループ経営の強化と事業執行の迅速化を進めている。

photo マクセルホールディングス 代表取締役 取締役会長 CEOの千歳喜弘氏

 現在、エネルギー、産業用部材料、電器・コンシューマーの3つの事業セグメントがあり、電池はエネルギー部門に入る。また、マーケット別では自動車、住生活・インフラ、健康・美容に分かれており「特に自動車分野へ力を注いでいる」とマクセル 代表取締役 取締役会長 CEOの千歳喜弘氏は述べる。

 電池事業は国内と中国工場(無しゃく)で運営し、中国工場ではリチウムイオン電池の企画・生産、組み立てを行っている。特に2000年以降は、二次電池の立ち上げが中心で、最近ではドローン(無人航空機)用などの製品も開発している。

 自動車ではTPMS(タイヤ空気圧センサー)向けの耐熱コイン電池、ETC向けの円筒形リチウム電池、リチウムイオン電池用電極などを供給する。住生活・インフラ分野へはモバイルIT機器やスマートメーター向けを提供。その他、補聴器、カプセル内視鏡のリチウムイオン電池なども展開している。

 同社のリチウムイオン電池技術について、千歳氏は「競争力の源泉は、オンリーワン技術にある」と強調。「もともと乾電池からスタートしており、電池の溶接、封止の技術などが特徴だ。さらに、磁気テープで培った材料の分散、塗布、スリットなどの技術を融合することで、電池としての高信頼性、高容量、ハイパワーなどを実現できている」(千歳氏)と自信を示した。

 特に、最先端技術開発を実現するために、それぞれの工程でコアとなる技術を保有する。電極材料に関しては材料への機能付加、電極製造プロセスでは、磁気テープの技術の応用、高密度加工ではマイクロ技術の応用、電池分析技術については充放電中リチウムのリアルタイム観察などの技術を活用しているという。

 現在注力する自動車用リチウムイオン電池では電極供給をメインとしている。ここでも間欠塗布、ストライプ塗布などの独自の塗布分散、均一塗工、高速乾燥技術などを活用。高品質・高速・高精度な電極生産を実現しているという。

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