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» 2018年04月13日 06時00分 公開

製造マネジメントニュース:日野とVW商用車部門が協業、「トラックやバスだから協力できることがある」

日野自動車とVolkswagen Truck & Busは、戦略的協力関係の構築で合意した。資本提携については現時点では予定していないという。

[齊藤由希,MONOist]
写真左から日野自動車の下義生(しも よしお)氏、Volkswagen Truck & BusのAndreas Renschler氏

 日野自動車と、Volkswagenグループの商用車ブランドを統括するVolkswagen Truck & Busは2018年4月12日、東京都内で会見を開き、戦略的協力関係の構築で合意したと発表した。資本提携については現時点では予定していないという。双方の親会社もサポートする協業であり、それぞれの業務提携先との関係は変わらず維持する。

 物流や旅客輸送に関わるソリューション調査、技術開発、調達の領域で相互補完的な協力を検討していく。技術開発では、ディーゼルエンジン、ハイブリッドシステム、電動化、コネクティビティ、自動運転技術といった既存の分野から新技術まで広く協力していきたい考えだ。

 協業の詳細は、両社のCEOや役員が参加するアライアンス委員会で検討する。独立性を維持して運営していくという。具体的な成果が出る時期には言及せず、「近いうちにあらためて発表したい」(Volkswagen Truck & BusのCEOを務めるAndreas Renschler氏)という表現にとどめた。

乗用車が主体の親会社の下では……。

Volkswagen Truck & Busは2015年に発足した新しい会社だと説明するRenschler氏

 Volkswagen Truck & BusはVolkswagenのグループ会社で2015年に発足した。傘下にはMAN、Scania、Volkswagen Caminhoes e Onibusといったブランドを持つ。ブランド共通のクラウドサービスプラットフォーム「RIO」も展開している。2017年の売上高は前年比12.1%増の239億ユーロ(約3兆1583億円)、営業利益率は同26.8%増の17億ユーロ(約2246億円)で営業利益率は6.9%だった。

 Volkswagen Truck & Busの2017年の地域別の販売台数は欧州が約11万5000台、南米が約34万5000台、アジア地域で約1万7000台、中東が約1万1500台で全ての地域で前年から販売台数を伸ばした。Volkswagen Truck & Busは販売地域の拡大にも注力しており、2016年9月には北米の商用車メーカーであるNavistarに2億5600万ドル(約274億円)を出資し、出資比率16.6%を握った。また、中国のトラックメーカーSinotruk(中国重汽)の株主でもある。

 日野自動車はトヨタ自動車が50.3%を出資するトヨタグループの一員だ。グローバル販売台数は2016年度に約17万4000台となり過去最高を更新した。地域別では日本と中南米が過去最高となり、日本が約6万6800台、中南米が約1万4800台だった。

 得意とする販売地域の違いも協業の中で補完していくという。技術開発や調達では、スケールメリットの創出や、時間や投資といったコストの抑制にもつなげたい考えだ

トヨタグループの一員だからできることがある一方で、乗用車の延長ではできないこともあると説明する下氏

 協業は、日野自動車 社長の下義生氏が2017年6月に社長就任後、合意に至った。商用車を使う物流や旅客輸送が直面する課題を解決するのは、乗用車がメインビジネスの親会社の下では難しいという考えが両社にあった。Renschler氏と下氏は、商用車は乗用車と異なり、メーカー同士の協力の余地が大きいと説明した。

 下氏は「トラックやバスは道具であり、ユーザーの仕事を支え、社会に直結するクルマだ。“いいものはみんなで使う”ということができると考えている。商用車に必要な技術は単純に乗用車の延長ではない」と説明。Renschler氏は「Volkswagenが商用車ブランドの統括を別会社に任せたのも、乗用車と商用車の違いを踏まえてのことだ。台数規模ではなく、お客さまに提供できる価値でチャンピオンを目指す」とコメントした。

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