文字を読み上げるスマートグラス、2019年に製品化へ富士通フォーラム2018

富士通はユーザーイベント「富士通フォーラム2017 東京」の内覧会で、視覚障害者向けのスマートグラスソリューション「OTONGLASS」を参考出品した。

» 2018年05月16日 06時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 富士通は2018年5月15日、同社のユーザーイベントである「富士通フォーラム2018 東京」(2018年5月17〜18日、東京国際フォーラム)の内覧会を実施。視覚障害者向けのスマートグラスソリューション「OTON GLASS」を参考出品した。

photo 視覚障害者向けスマートグラスソリューション「OTON GLASS」

 「OTON GLASS」は株式会社オトングラス(以下、オトングラス社)の開発した製品でメガネに付けたカメラで認識した文字を自動で読み上げるというもの。ハードウェアはカメラ付きのメガネ型デバイスと音声読み上げおよび通信機能などを持つ端末の2つで構成されている。文字の認識と音声化をクラウド環境で行い、ハードウェアからのネットワーク接続はWi-Fiで行っている。

 視覚障害者が手元の書類の文字を読むなどの活用を目指す。最終的には視覚障害者だけではなく、高齢者や弱視者、海外渡航者など文字を読むことに困難を抱えている人を対象に幅広い展開を想定する。現在は実証を兼ねて研究開発を進めており、2019年に少数生産での製品化を行う計画である。

 富士通デザイン サービスインテグレーションデザイン部 サービス&インタラクションデザイナーの志水新氏は「文字の認識に困難を抱えている人をアクセスしやすくするということがコンセプト。常に読み上げるというのは多いように感じるが、視覚障害者にとっては今までなかった情報に触れられるということで、価値を認めてもらえている」と手応えについて語る。また、富士通の役割については「視覚情報は、重要な個人情報の1つでセキュリティが必須となる」と重要性について述べている。

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