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» 2018年05月25日 09時00分 公開

地方発!次世代イノベーション×MONOist転職:青森企業の得意な技術をカテゴリー別で紹介――イノベーション・ネットワークあおもり(青森県)

「次世代の地域創生」をテーマに、自治体の取り組みや産学連携事例などを紹介する連載の第24回。青森県内横断的な産学官金ネットワーク「イノベーション・ネットワークあおもり」を取り上げる。

[MONOist]

イノベーションの概要

 「イノベーション・ネットワークあおもり」(略称:イノベ・ネットあおもり)とは、青森県内の地域資源の潜在力を結集した新産業・新事業の創出促進を目的に2011年に創設された、県内横断的な産学官金のネットワークで、「産学官金ラウンドテーブル」と「タスクフォース」で構成されている。ラウンドテーブルは県内主要産学官金10機関のトップで構成する円卓会議で、年1回程度開催。イノベーションに関する方向性などの提言や、タスクフォースの活動状況に対する助言を行う。タスクフォースは、県内産学官金関係27機関の実務者レベルで構成する実働部隊である。

 イノベ・ネットあおもりでは「あおもり元気企業製品・技術PRレポート」を作成しており、220社ほどが登録、掲載されている。HPではキーワードやカテゴリーを選択して検索することができ、試しにカテゴリーなしで、キーワードを「ロボット」として検索してみたところ、13社がヒット。各社のページには、企業の基本情報の他、特徴や得意分野などが記載されている。

出典:イノベーション・ネットワークあおもり

 イノベ・ネットあおもりや参加団体が主催するイベントやセミナーの他、2016年からは、年1回、産学官金連携において先導的で優良な取り組みをしている県内の民間事業者を表彰する「あおもり産学官金連携イノベーションアワード」を実施。県の新産業・新事業創出や地域活性化に貢献している実績が認められる「イノベーション優秀賞」、今後が期待される「イノベーション特別賞」が選ばれ、企業・学術研究機関のビジネスマッチングイベント「あおもり産学官金連携Day」の中で表彰式が行われている。

イノベーションの地域性〜青森県といえば……

 青森といえば、作付面積、収穫量ともに全国1位のリンゴ。その他、にんにく、ながいも、ごぼうも1位である。国内のリンゴの約2割を生産している弘前市では、生産者の高齢化や担い手不足などの課題に対し「りんご産業イノベーション戦略」を掲げて、生産、加工、流通の技術革新などに取り組んでいる。

 青森県周辺の海はとても豊かで、海産物も豊富。まぐろで有名になった大間は本州の最北端、下北半島にある。陸奥湾ではホタテ貝の養殖が盛んで、北海道に次いで全国2位の生産量を誇る。

 見どころも多く、ねぶた祭りや世界自然遺産の白神山地、十和田湖、奥入瀬渓流、津軽富士といわれる岩木山、八甲田山、日本三大霊場の1つ恐山、弘前城と弘前公園の桜など、枚挙にいとまがない。

弘前城と桜

 また青森県は、南部地方と津軽地方のライバル的関係も有名。明治の廃藩置県まで約260年間別の藩であり、両藩主の関係は良好ではなかったようだ。中央の山脈に隔てられているため、言葉も文化や慣習も異なり、気候も日本海側は雪が多く、太平洋側は晴れの日が多く乾燥している。

ここに注目! 編集部の視点

 青森県は農業・林業就業者の割合が全国の3倍、漁業就業者は4.3倍。一方製造業就業者は0.6倍で、生産額でも製造業は全国の0.8倍、情報通信業は0.5倍という産業構造である。

 しかし、世界レベルの製品も少なくない。例えば生の食材から惣菜(そうざい)、お弁当など調理後の食品まで数分でカロリーを自動測定できる装置が、世界各国で特許を取得していたり、ハイブリッドカーや電気自動車の駆動用モーターに搭載する角度センサーが、世界シェア9割だったり。世界初の非破壊・ハンディタイプの糖度計は、果実の表面にセンサーを当てるだけで測定できるもので、リンゴの生産に生かされているに違いない。

 イノベ・ネットあおもりによる産学官金連携が、青森発、世界レベルの製品を生み出すインフラになることに期待する。

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