人とくるまのテクノロジー展2018特集
特集
» 2018年06月07日 06時00分 公開

人とくるまのテクノロジー展2018:日本の自動運転車で「世界最先端」を目指す経産省、産業の競争力向上に注力 (1/2)

2018年5月23〜25日に開催された「人とくるまのテクノロジー展2018」(パシフィコ横浜)の講演会に経済産業省 製造産業局 自動車課 ITS・自動走行推進室 係長の丸山晴生氏が登壇。「自動走行を巡る経済産業省の取組」をテーマに、経産省が行っている自動運転の「技術」と「事業化」の両面で世界最先端を目指すための施策を紹介した。

[長町基,MONOist]
経済産業省の丸山晴生氏

 2018年5月23〜25日に開催された「人とくるまのテクノロジー展2018」(パシフィコ横浜)の講演会に経済産業省 製造産業局 自動車課 ITS・自動走行推進室 係長の丸山晴生氏が登壇。「自動走行を巡る経済産業省の取組」をテーマに、経産省が行っている自動運転の「技術」と「事業化」の両面で世界最先端を目指すための施策を紹介した。

 自動車業界は、コネクティッド化、電動化、自動運転、シェアリング化など産業構造を大きく変える可能性に直面している。特に自動運転は、交通事故の削減、高齢者などの移動手段の確保、ドライバー不足の解消など、社会的意義が大きい取り組みだ。しかし、技術的難度が高く、実現に向けた制度やインフラの整備も必要であり、官民一体となった取り組みが求められている。

世界シェアをとれる産業づくり

 自動運転のレベルは米国自動車技術会(SAE)によって下記のように6段階で定義されている。

SAEが定めた自動運転のレベル
自動運転レベル 名称 ドライバーとシステムの関わり ドライバーとシステムが担う役割
レベル0 運転自動化なし ドライバーが責任を負う ドライバーが全ての運転タスクを実施
レベル1 運転支援 システムが前後・左右のいずれかの車両制御に関わる運転タスクのサブタスクを実施
レベル2 部分運転自動化 システムが前後・左右の両方の制御に関わるタスクのサブタスクを実施
レベル3 条件付運転自動化 限定領域内でシステムが全ての運転タスクを実施 作動継続が困難な場合の運転者はシステムの介入要求などに対応して、適切に応答することが期待される
レベル4 高度自動運転自動化 作動継続が困難な場合、利用者が応答することは期待されない
レベル5 領域を限定せず、システムが全ての運転タスクを実施

 自動運転車は、ドライバーの運転ミスで発生する交通事故の削減、交通渋滞の緩和、環境負荷の低減など、より安全でかつ円滑な道路交通を実現に貢献することが見込まれている。運転の快適性向上や高齢者などの移動支援にも重要な役割を果たす。また、日本として自動運転の技術開発と事業化に取り組むことは、日本の自動車関連産業の国際競争力強化や新たな関連産業の創出、運輸・物流業の効率化といった産業競争力の向上にもつながる。

 自動車の運転は認知、判断、操作の3つの動作に分けられ、自動運転システムも同じくこの3つからなる。安全な自動運転の実現に特に重要な「判断」「認知」のアルゴリズムが最大の競争軸となっている。「判断」は自動車メーカー同士の、「認知」はティア1サプライヤーの開発競争が激しい。複数のセンサー情報の処理や走行経路の判断などの情報処理を支える半導体メーカーも、性能を競うとともに、アルゴリズムの開発をサポートするツールを提供し、差別化を図る。

 すでに自動運転ブレーキやアダプティブクルーズコントロール、車線維持支援、これらを組み合わせた単一車線での自動運転、駐車支援などの予防安全・運転支援技術は実用化段階にあり、これらの技術をベースに自動運転技術へと進化している。「自動運転向けのセンサーなどの分野で新しい製品を世界に先駆けて開発すれば、世界シェアが取れ、ビジネスチャンスが広がる。そのため自動運転を国としても支援する考えだ」と丸山氏は経産省の姿勢を示した。

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