eテキスタイル技術を用いたウェアラブルな歩容センサーの研究開発医療機器ニュース

金沢工業大学が、総務省の「戦略的情報通信研究開発推進事業」の支援を受け、「地域高齢者の健康と生活空間の見守りを支援するeテキスタイル技術を用いた歩容センサークラウドシステム」の研究開発を始める。

» 2018年06月07日 15時00分 公開
[MONOist]

 金沢工業大学は2018年5月22日、「地域高齢者の健康と生活空間の見守りを支援するeテキスタイル技術を用いた歩容センサークラウドシステムの研究開発」が、総務省の平成30年度「戦略的情報通信研究開発推進事業」重点領域型研究開発ICT重点研究開発分野推進型3年枠として選定されたことを発表した。同大学修学基礎教育課程 教授の佐藤進氏が、研究代表者を務める。

 研究では、ICTやIoT(モノのインターネット)向けの無線通信技術であるLPWA(Low Power Wide Area)などの先端技術を活用し、日常生活の中で自然な形でデータを収集するモニタリング型、またはセンサー型のアプローチに取り組む。

 具体的には、織物の圧縮特性を利用し、歩行時の圧力を電気信号として検知するテキスタイルセンサーを靴の中敷きに装着。歩行の特徴から高齢者の老化度や疲労度、歩行年齢などを測定できるウェアラブルな歩容センサーを開発する。

 さらに、歩容センサーとクラウドシステムを連携させることで、高齢者に対する健康支援と、遠隔地に居住する家族や自治体などによる見守り支援機能を有するICTシステムインフラの構築を目指す。

 この研究開発により、高齢化や過疎化が進む山間部の高齢者の健康寿命の延伸と、外出機会の増加に伴う認知症予防や骨粗鬆症予防、さらには地方における新たな健康支援、見守りのモデルになることが期待される。

photo 開発中の歩容センサーのプロトタイプ(クリックで拡大)出典:金沢工業大学
photo 歩容センサーのプロトタイプを装着した様子(クリックで拡大)出典:金沢工業大学

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