おっさんもワクワク、スーパーカミオカンデの超純水タンク内部が12年ぶりに公開研究開発の最前線(2/3 ページ)

» 2018年06月13日 10時00分 公開
[林佑樹MONOist]

3つの工事が同時進行で進む

 今回行う工事は大まかに分けて3つある。1つ目は止水補強。タンクには約5万トンの超純水がある。1日当たり約1トンの超純水の漏れが確認されており、水漏れを防ぐためにタンク内壁のステンレスパネル全てのつなぎ目に止水剤を塗布するという。また水漏れは現時点では底部からと想定されている。実験自体に影響はない漏れ量とのことだが、地震などの災害でより大きな水漏れが起きないようにする目的もあるそうだ。

 2つ目は配管のバージョンアップ。タンク内の超純水の循環速度は毎時60トン。タンク内のガドリニウム濃度を均一にし、かつ透過性を確保するため、毎時120トンに向上させる。なおガドリニウムの濃度は0.01%になるという。

 3つ目は、問題が生じている光電子倍増管の交換だ。既に12年経過しているため、数百の光電子倍増管に不具合が生じている。それを上記作業と並行して実施していく。スーパーカミオカンデが有する光電子倍増管は、内側の直径50cmのものが1万1129本、外側の直径20cmのものが1885本ある。

取材時点のステータスタンク内部を目視できた 取材時点のステータス。公開されたはクリーンエリアと点検口。水位は約4mほど下がっていた(左)。中央よりの点検口からタンク内部を目視できた。また天井部外向きに設置されている光電子倍増管、内側の光電子倍増管の側面も(右)(クリックで拡大)
取り付けられた状態の光電子倍増管交換対象と思われる光電子倍増管 取り付けられた状態の光電子倍増管(左)と交換対象と思われる光電子倍増管(右)(クリックで拡大)

 タンク内には、ゴンドラと小型のゴムボートで進入する。ゴンドラで必要機材を水面付近まで下ろし、ゴムボードで作業地点へと向かう。確認できたゴムボードは3艘。ただ上記の作業を考えると、水位状況次第でその数は増えるのかもしれない。作業中の様子は、宇宙線研究所のTwitterアカウントなどで開示されると思われる。

作業用のボート3人ほどが乗れそうなゴンドラ 作業用のボート。記事本文で説明しているように透過度が極めて高いため、ボードが水の上にあるように見えない(左)。3人ほどが乗れそうなゴンドラ(右)(クリックで拡大)
降りていくまでの流れ降りていくまでの流れ作業エリアに立つ中畑 中畑氏による降りていくまでの流れも公開された(左、中央)。作業エリアに立つ中畑氏(右)(クリックで拡大)

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