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» 2018年06月15日 18時00分 公開

スマートファクトリー:AIやIoTとの融合が加速、MECHATROLINKが描く工場の変化とパートナーシップ

IoTやAIなど先進技術を活用したスマートファクトリーへの取り組みが広がりを見せている。その中で、参加企業を増やし注目を集めているのが、モーション制御を得意とする「MECHATROLINK」の普及を担うMECHATROLINK協会だ。2018年6月8日に開催された「MECHATROLINK協会 2018年度総会」から、同協会が描く工場の姿と、パートナーシップの価値について紹介する。

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 スマートファクトリー化の動きが広がりを見せている。特に国内では人手不足の状況もあり、取り組みを加速させる企業が数多く存在する。しかし、スマートファクトリー化や、その前提となる機器情報の取得などに取り組もうとしても、1社では目指す効果を得ることは難しい。そこで注目を集めるのが、団体など仲間作りの場である。

 これらの背景のもと、3140社(2018年3月末時点)以上の企業が加盟し、急速な勢いで参加企業の拡大を進めているのが、15周年を迎えたMECHATROLINK協会である。2018年6月8日に開催された「MECHATROLINK協会 2018年度総会」から、同協会が描く工場の姿と、パートナーシップの価値について紹介する。

photo 2018年度のMECHATROLINK協会総会の様子(クリックで拡大)

重要性を増すスマート工場実現の仲間づくり

 MECHATROLINK協会は、モーション制御に強みを持つ産業用オープンネット規格であるMECHATROLINKの普及拡大の役割を担っている。MECHATROLINKは、2003年に公開された日本発のオープンフィールドネットワークだが、フィールドネットワークの中でも特に、モーターなどの動きに代表されるモーション(動き)を制御する仕組みが得意としており、「モーションフィールドネットワーク」とも位置付けられている。高速通信と同期性の保証が強みで、製造機械など高速、高精度な動きの制御で貢献している。

photo MECHATROLINK協会 幹事長で安川電機 執行役員 モーションコントロール事業部長の熊谷彰氏

 2018年度の総会では、MECHATROLINKの最新情報が紹介された。MECHATROLINKの普及拡大は著しく、MECHATROLINK通信ASICの総出荷ノードが2017年度末で約678万ノードとなり、年間で120万ノードが増加するなど、ネットワーク化の流れが大きく拡大している状況を示した。また、対応製品は、2017年度に35製品増え、累計で503製品となったという。

 これらの順調な拡大を踏まえ、2018年度の取り組みとしては、「MECHATROLINKの普及・促進」「システム提案力の強化」「MECHATROLINK-4、Σ-LINK IIの公開」の3つのポイントに取り組む。会員については、ASEANや中国、欧州など、グローバルでのさらなる拡大を加速させる方針を示す。また、2018年度の取り組みとして最も力を入れるのが、2017年に発表され製品化に向けた準備が進む「MECHATROLINK-4」「Σ-LINK II」のプロモーション活動である。

 MECHATROLINK協会 幹事長で安川電機 執行役員 モーションコントロール事業部長の熊谷彰氏は「スマートファクトリー化に向けたニーズが高まる中、フィールドネットワークの重要性も高まっている。ネットワークの高度化とともにセンサー領域のデータを取る必要性なども出てきた。MECHATROLINK協会でも新たな規格でこれらのニーズに対応する」と方向性について述べる。

日本TIやHIWINが新製品を紹介

 新技術である「MECHATROLINK-4」「Σ-LINK II」については2017年のSCF(システムコントロールフェア) で初披露されたが、総会の場でも会員に向けて特徴を説明。さらに会場でのデモも行った。

photophoto MECHATROLINK-4対応試作機によるデモ(左)とΣ-LINK II対応試作機によるデモ(右)(クリックで拡大)

 現行規格である「MECHATROLINK-III」では、主要メーカーが新製品を紹介。日本テキサス・インスツルメンツは、産業用通信のサブシステム「PRU-ICSS」を内蔵したARM SoCの「Sitara」ファミリーについて説明した。また、台湾のHIWIN MIKROSYSTEMは、「MECHATROLINK-III」対応のサーボドライブ「D1-N」について説明し、工作機械などに採用された事例などを紹介。グローバルメーカーによる製品群が着実に拡大している様子を示した。会場では、それぞれの新製品のデモを行い、新製品周辺は賑わいを見せた。

photo 日本TIやHIWIN、MECHATROLINK協会の新製品のデモの周辺に集まる来場者たち。賑わいを見せた(クリックで拡大)

最先端のセンシングとAIの情報を発信

 「MECHATROLINK協会 総会」では、メンバー間交流を図る一方、毎回業界をリードする主要企業における講演を実施している。

 今回の特別講演には、ローム 産機戦略部部長の上林忠史氏と、AIベンチャーのクロスコンパス 代表取締役社長兼事業戦略本部長の鈴木克信氏が登壇した。

photo ローム 産機戦略部部長の上林忠史氏

 ロームの上林氏は「製造現場向けIoTセンシングソリューション」をテーマとし、ロームが取り組む「足元の"見える化"」に焦点を当てたセンシングソリューションを紹介。採用事例や実証事例などについて説明した。

 ロームはIoT化に向けては「マシンヘルスモニタリング(工場向け)」と「ヘルスケア」に特化して取り組みを推進。もともと同社が保有する「IoTセンサー」と機器ベンダーやシステムベンダーなどとの協業による「IoTソリューション」を組み合わせることで、新たな価値を訴求する。

 ローム上林氏は「工場向けIoTに勝機があると取り組んだが、ロームが展開する部品とシステムベンダーなどの間には距離があり、そこで当初はつまずいた。しかし、あくまでも自社では部品メーカーとしての強みを追求し、足りないピースは協業するという考えで取り組み、パートナーが獲得できたことで導入に進めることができている。顧客は80%がマシンヘルスモニタリングだ。2018年から実証実験を越えて、本格導入が進んでいる」と手応えについて述べている。

 さらに、環境発電により電池不要で通信できる「EnOcean」やLPWAN(Low-Power Wide Area Network)の1つであるSIGFOXについても紹介。さまざまな導入事例や協業事例を紹介した。

photo クロスコンパス 代表取締役社長兼事業戦略本部長の鈴木克信氏

 一方、クロスコンパス 鈴木氏は「日本の人工知能 〜匠の技とAIの融合〜」をテーマとし、AIの歴史と現状、製造業としての活用の最適解などを説明した。クロスコンパスは2011年創業のベンチャー企業だが2015年からディープラーニングなどのAI関連技術に取り組み始めた。現在では年間80件以上のAI開発を行っているというが、そのうち80%が製造業向けで、製造業向けAIベンチャーともいえる存在である。

 クロスコンパス鈴木氏は第3次ブームともいわれるAIの歴史をひもときつつ、AIで日本が遅れているとする論調に対し「良いAIは良いノウハウや経験を伝えて学習させないと生まれない。そういう意味では製造業における日本はさまざまな独自ノウハウを抱えていて、こうしたノウハウをAIに注入することでさらに世界と勝負できるはず」と考えを述べる。

 そして、この日本の製造現場のノウハウとAIを組み合わせることで実現した導入事例や、これらを抽出した製造業向け人工知能開発環境について紹介した。

 特別講演の狙いについてMECHATROLINK協会では「最先端のセンシングやAIを製造業に展開する2社に登壇してもらうことで、活用への認識を深め、高度なモノづくりを加速させる力になる」とする。

 さらに「MECHATROLINK協会はオープンな団体であることから、総会ではさまざまなベンダー企業やユーザー企業が参加する。競合関係を越えて交流することで新たなビジネスチャンスなども生まれる」(MECHATROLINK協会)とする。総会終了後の懇親会では、15周年企画としてマジックショーも開催され、大いに盛り上がりを見せた。

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提供:MECHATROLINK協会
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2018年6月30日