特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2018年07月23日 10時00分 公開

Discovery 2018:製造業のIoT活用、フジテックと日置電機とパナソニックCNS社はどうしているのか (1/2)

ソラコムの年次ユーザーイベント「Discovery 2018」において、「製造業におけるIoT活用」をテーマとしたパネルディスカッションが行われた。登壇したのは、フジテックの友岡賢二氏、日置電機の久保田訓久氏、パナソニック コネクティッドソリューションズ(CNS)社 の山崎徹氏である。

[長町基,MONOist]

 ソラコムが2018年7月4日に東京都内で開催した年次ユーザーイベント「Discovery 2018」において、「製造業におけるIoT活用」をテーマとしたパネルディスカッションが行われた。登壇したのは、フジテック 常務執行役員 情報システム部長の友岡賢二氏、日置電機 取締役 執行役員 イノベーションセンター長の久保田訓久氏、パナソニック コネクティッドソリューションズ(CNS)社 イノベーションセンター 所次長の山崎徹氏で、モデレーターはSORACOM Americas CEOの川本雄人氏が務めた。

 講演の冒頭では、川本氏が「製造業のIoT(モノのインターネット)活用にはさまざまな軸がある。例えば、製造現場におけるIoTであり、プロダクトやサービスの観点から見た場合には、IoTを活用してどのような新しいビジネスモデルを構築しているかというところ。そして、運用や保守などのアフターマーケットにおいて、IoTよりデバイスをつなげることで顧客の情報を取得し、より細かなサービスができるところなどだ。こうしたポイントを中心に話を聞いていきたい」とあいさつした。

フジテックの友岡賢二氏 フジテックの友岡賢二氏

 川本氏が3人の登壇者に行った最初の質問は「IoT戦略を一言にまとめると」である。これに対して、フジテックの友岡氏は「情報システム(部門)目線でみると、IoTは現場ではオペレーションと情報システムが一体となって取り組まないとうまくいかない。また、そこから発想することで、さまざまなアイデアが出てくる。いつもは受けに回ることが多い情報システムだが、逆に提案し、先取りすることが必要だ」と情報システム部門(担当者)からの積極的な取り組みの重要性を訴えた。

 日置電機の久保田氏は「IoTに限らず、進化する技術をどんどん取り入れて自社製品の価値を上げたいと考えている」と過去に高性能のCPUを取り入れた製品作りを行った事例など交えて語った。

 パナソニックの山崎氏は「CNS社の場合『現場プロセスイノベーション』をキャッチフレーズとして取り組んでおり、人やモノが動く、そのそばの情報を可視化して顧客のビジネスに生かしてもらう」と述べた。

「IoT的なもの」で分かってもらえるようになった

日置電機の久保田訓久氏 日置電機の久保田訓久氏

 続いての質問は「IoT活用によって顧客や現場はどう変化しているか」。久保田氏は「以前は、ソリューションを現場にもっていき、そこでネットにつないで、など詳細に説明するのが大変だった。しかし、今ではIoTというフレームワークがあり、それが広まってきているので『IoT的なもの』というとほとんどの人たちに分かってもらえる。このフレームワークが重要であり、これに沿って説明をすると顧客と共通認識がもてるというところが便利だと思う」とIoTの認識の広まりにより、顧客への説明がスムーズに進んでいる状況を紹介した。

 山崎氏は「現場を観察していると変化がみられる。製造、物流、小売業などでも生産性を高めなくてはいけないという課題を感じる。一方で、AI(人工知能)やIoTなどにより、これまでとは違ったレベルでの自動化や支援などができるようになってきた。現場の人たちもセンシングやアクチュエーションといった技術を求めており、それらに当社は応えている」とした。さらに「私が所属するイノベーションセンターという組織は、顧客の価値やエクスペリエンスなどをしっかりと理解し、デザインシンキングのトレーニングを行っている。また、共創という面では、本社に共創スペースを増床して、顧客と一緒に現場の課題解決に取り組んでいる」(山崎氏)と取り組みを披露した。

 友岡氏は「情報システムからみると、今までの守備範囲は生産管理、販売管理などERPがカバーしているところがメインだったが、工場や販売の最前線の人たちをサポートしきれていない状況もあった。それが、モバイル、クラウド、IoTなどの登場により、サービスを提供できるプラットフォームができ上がり、情報システムが現場と一緒に働けるようになってきている。また、これまでよりも失敗時のコストが下がったことから、挑戦しやすくなったことも挙げられる。そういう意味ではフォロー(追い風)が吹いている」などと話し、常に挑戦するというカルチャーを組織に根付かせることに意欲を示した。

 友岡氏の意見に対して川本氏は「それは面白い観点で、スタートアップからみると失敗のリスクが低いのでクラウドやIoTを使うことは聞くが、エンタープライズ系から失敗を恐れずに挑戦するという意見が出るというのは新しい視点だ」とコメントした。

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