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» 2018年08月09日 06時00分 公開

製造マネジメントニュース:女性の技術者、育っていますか? 日立アプライアンスなど7社の取り組みが表彰

技術同友会は2018年8月8日、東京都内で「第5回 女性技術者 育成功労賞 表彰式」(後援:内閣府、経済産業省、厚生労働省)を実施した。同賞は、女性技術者の育成に功績を上げた対象者を表彰するもの。

[齊藤由希,MONOist]
受賞者と技術同友会のメンバー(クリックして拡大)

 技術同友会は2018年8月8日、東京都内で「第5回 女性技術者 育成功労賞 表彰式」(後援:内閣府、経済産業省、厚生労働省)を実施した。同賞は、女性技術者の育成に功績を上げた対象者を表彰するもの。

 政府は2020年までに指導的地位に占める女性の割合を全体の30%程度に引き上げることを目標としている。この実現に向けて、女性技術者が働きやすい環境を整えるとともに、労働機会や活躍の場を充実させ、役員や管理職への登用を促進するなどで貢献した7人が表彰された。

 受賞者は下の表の通り。以前は男性の受賞者が半数を占めることもあったが、今回は受賞者7人中6人が女性となった。2018年3月13日〜6月27日まで応募を受け付け、技術同友会や外部審査委員で審査の上、受賞者を決めた。評価ポイントは、多くの女性技術者を長年育成してきたこと、育成活動が企業として定着していること、女性技術者の職域を拡大していることの3点だ。

氏名 所属 授賞理由
鹿志村 香氏 日立アプライアンス 取締役 事業戦略統括本部 統括本部長 女性技術者のメンター、女性技術者向けのネットワーク構築に取り組み、後進の女性技術者に大きな影響を与えた。
品部 和宏氏 クボタ 執行役員 環境事業部 副事業部長 大型プロジェクトでの女性技術者の登用、能力向上のための研修、職場風土の醸成に貢献した。
柴田 裕見子氏 明星電気 生産本部 生産本部長 生産部門の女性技術者育成に大きな役割を果たした。出産後も復職できる環境づくり、女性の技術系管理職の輩出に貢献した。
鈴木 孝子氏 東日本旅客鉄道 総合企画本部 品川・大規模開発部 次長 女性の電気系技術者の育成に取り組んだ。グループ会社や協力会社向けの特別講義なども実施した。
長曽我部 紀理子氏 リコー デジタルビジネス事業本部 ワークフローソリューションセンター グループリーダー 設計者として活躍し、若手女性技術者のネットワークづくりに取り組んだ。
濱崎 理佳氏 NEC 放送・メディア事業部長代理 男性が中心の組織において、女性の技術者の比率を大幅に向上させた。事業部外の女性プロジェクトリーダーの育成にも取り組んだ。
前上 亮子氏 曙ブレーキ工業 管理部門 人事グループ グループ長 人事部長として、女性の継続的採用を図り、女性技術者の育成プログラムで大きな役割を果たした。実践型研修などを通じて女性の管理職登用を進めた。
日立アプライアンスの鹿志村香氏(クリックして拡大)

 受賞者を代表してあいさつした日立アプライアンスの鹿志村香氏は、「28年前に日立製作所に入社した。女性初の課長、部長、本部長、取締役を経験してきたが、それくらい女性が少ないのだと感じている。女性であることを意識せずやってこれたのは、環境を作ってくれた先輩たちのおかげだ。自分もそういった環境を作ってダイバーシティーを広げ、女性の技術者がどんどん入ってこられるように尽力していきたい。女性であることは1つの個性だ。男性と何か一緒に考える時に新しい発想が生まれたり、発想の幅を広げたりしていけば、業界内の派手なゲームチェンジの中でも発想の転換を起こしていけるのではないか」と語った。

 鹿志村氏は、女性が働き続けられる職場について、出産や子育てで休職した後に戻ってきやすいことが重要だと話す。「休職中の女性が子供連れで、会社のメンバーと会えるようなランチミーティングを実施している。話す内容は他愛もないことで構わない。長期にわたって会社のメンバーと顔を合わさないと、どうしても復帰後が不安になるので、半年に1度くらい実施して、職場と接点を持ち続けられるようにする」(鹿志村氏)。

 女性同士が子育てなどについて話しやすい環境をつくる場合にも、年齢が近いかどうか、復職した時期が近いかどうかなどを重視しているという。「年齢が5歳違うだけで、家事に対する感覚が全然違うこともある。感覚が違えば、女性同士でも相談しにくい、話しにくいこともあるので気を付けている」(鹿志村氏)。

 来賓の内閣府 大臣官房審議官(男女共同参画局担当)の渡邉清氏は「理工系分野の研究者に占める女性の比率が伸び悩んでいる。2018年は15.7%で、前年からは微増だった。また、依然として低い水準だ。理工系分野の女性技術者、研究者をさらに増やすことが必要だ。政府では仕事と出産、子育ての両立支援や、女性の登用に積極的な大学への支援を進めてきた。女子生徒の理工系の進路選択を社会全体で応援しようという取り組みも始める。その中で、東京医科大学での入試の女性差別は断じて認められないことだ」とコメントした。

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