特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜

国内AIベンチャーに有望株、パスタ盛り付けや再生医療細胞の品質管理などを支援人工知能ニュース(1/2 ページ)

NEDOは2018年8月8日、政府の「人工知能技術戦略」に基づくAIベンチャー支援事業の一環として、全国30件の応募からコンテスト形式で選定した6件の研究テーマを採択したと発表した。採択が決定した各委託予定先のベンチャー企業は、2018〜2019年度まで最大2年間の研究開発を実施する。

» 2018年08月09日 10時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は2018年8月8日、東京都内で会見を開き、政府の「人工知能技術戦略」に基づくAI(人工知能)ベンチャー支援事業の一環として、全国30件の応募からコンテスト形式で選定した6件の研究テーマを採択したと発表した。採択が決定した各委託予定先のベンチャー企業は、2018〜2019年度まで最大2年間の研究開発を実施する。

ベンチャー支援事業に採択された6件(8者)の研究テーマの代表者 ベンチャー支援事業に採択された6件(8者)の研究テーマの代表者。左から、Rapyuta Robotics 代表取締役のモーハナラージャー・ガジャン氏、IDECファクトリーソリューションズ 取締役の鈴木正敏氏、MICIN 執行役員の徐マリア氏、DeepX 代表取締役の那須野薫氏、NEDOの渡邊恒文氏、PuREC 取締役の松崎有未氏、名古屋大学 准教授の加藤竜司氏、MI-6 代表取締役の木嵜基博氏、ロックガレッジ 代表取締役の岩倉大輔氏(クリックで拡大)

 NEDOでは2017年度から、人工知能技術戦略の重点3分野である「生産性」「健康・医療・介護」「空間の移動」におけるAI社会実装を加速し、AIベンチャーの市場参入を促進することを目的に、ベンチャー企業が参入しやすい公募事業を実施している。NEDO ロボット・AI部 「次世代人工知能・ロボット中核技術開発」プロジェクトマネージャーの渡邊恒文氏は「2017年度も6件を選定したが全て東京の企業だった。そこで2018年度は、この公募事業を地方でも広く知ってもらうために大阪、仙台、福岡、名古屋などでオリエンテーションを実施した。その結果、今回の6件の受賞企業に、島根、愛知、茨城という地方が入った」と語る。

 今回の審査では、応募30件(42者)の中から、1次審査(書面)で上位12件を選定。その後2次審査として、プレゼンとデモンストレーションを行い、今回の6件(8者)が選ばれた。なお、重点3分野はそれぞれ1件ずつ最優秀賞を選ぶ規定だが、上位12件に「空間の移動」が入らなかったため、該当なしとなっている。

応募30件から1次と2次の審査を経て6件の研究テーマを選定 応募30件から1次と2次の審査を経て6件の研究テーマを選定(クリックで拡大)
結果 採択テーマ名 委託先 委託費上限
最優秀賞(生産性) 食品(非定形・軟体物)を定量でピックアップするAIアルゴリズムの研究開発 株式会社DeepX 4500万円
最優秀賞(健康・医療・介護) AIによる高純度間葉系幹細胞の品質検査高度化の調査研究 PuREC株式会社、名古屋大学 4500万円
審査員特別賞(健康・医療・介護) 機械学習を用いた認知機能リスク因子の探索 株式会社MICIN 3000万円
審査員特別賞(生産性) AI、クラウド、センサ、画像処理を活用したミドルウェア汎用ロボットコントローラの調査研究 IDECファクトリーソリューションズ株式会社、Rapyuta Robotics株式会社 2000万円
審査員特別賞(生産性) MI(マテリアルズ・インフォマティクス)による材料探索に関する調査研究 MI-6株式会社 2000万円
審査員特別賞(生産性) AI/クラウドソーシング・ハイブリッド型広域人命捜索システム 株式会社ロックガレッジ 2000万円
表 2018年度に採択された6件のテーマと委託先、委託費上限
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