連載
» 2018年08月31日 09時00分 公開

IoTっていうけど、何すればいいの?(1):「IoT」とは何かを、あらためて考える

IoTを活用できるエンジニアになるための視点を取り上げる連載。第1回は『「IoT」とは何かを、あらためて考える』。「分かっている」という声も聞こえてきそうだが、あえて立ち止まってみよう。

[杉本恭子, 監修/DMM.make AKIBA,MONOist]

そもそも「IoT」とは?

 「IoT(Internet of Things)」は、日本語では一般に「モノのインターネット」と訳されている。実際のところ「とは何か」については、曖昧で解釈も幅広いが、「モノがネットワークにつながる」ことは共通認識といっていいだろう。仕組みの複雑さも千差万別だが、モノがつながることによって、情報や状況が見えるようになったり、人の手を介さずに自動的に制御できたり、集まったデータを分析することで判断を支援したりと、ジャンルを問わずさまざまなサービスを得られる世界がIoTといえるのではないだろうか。

 IoTという言葉が登場する以前にも、同じようなコンセプトの製品やサービスは存在していた。例えば、電気ポットの使用状況によって、独居高齢者の安否を離れて暮らす家族が見守ることができるサービスは、2001年に生まれている。このサービスは今でも多くの利用者がいるし、進化も遂げている。現在は「高齢者の見守り」というテーマだけでも、熱センサーや重量センサー、心拍センサー、ドアの開閉を感知するセンサー、またカメラなど、さまざまデバイスを使ったサービスが各社から提案されている。

 現在ではご存じのように、声をかけるだけで照明の点灯・消灯を操ったり、外出先から自宅のエアコンを制御したり、あるいは子どもの帰宅を感知したり、ペットの様子を見たり……。生活を便利に快適にするために、あるいは安全や安心の手助けに、活用の場が広がっている。

製造業における「IoT」

 製造業における「IoT」は、製造ラインの効率化や設備の状態の監視、検査の精度向上や自動化、さらに予測、予知など、生産性や品質に関連して語られることが多い。工場内をカートが自走したり、状況に応じた組み立て手順が自動的に案内されたりする、いわゆる「スマートファクトリー」の映像などを目にしたこともあるだろう。

 しかし、これまでにもデータを集めて何かを分析したり、精度を高めたりする取り組みは行われてきた。手間を減らしたり、人為的なミスを防止したりするための自動化に取り組んできた製造現場も多いはずだ。IoTは、こういった活動の延長線上にある進化形という見方もできる。

 一方で、マーケットのニーズは大量生産から多様性へとシフトしている。製造現場は培ってきた技術を伝承しつつ、変化にも対応しなければならない。そんな現状の中で注目される「IoT」に対して、これまでとは違う、しかし漠然とした期待を抱いているのも事実だろう。そこで、お祭り的な盛り上がりに踊らされるのではなく、地に足を付けて「IoT」で実を取るために重要な観点を、次回から4回に渡って紹介したい。

 さて、あなたの身の回りや職場で、IoTはどんなことに活用できるだろうか。少しイメージしてみよう。


 次回は「IoT活用のための視点(1)『PoC』」をお届けします。(次回へ続く)

執筆/監修者 プロフィール

監修・資料提供:

岡島康憲(おかじま やすのり)/DMM.make AKIBA エヴァンジェリスト

2006年、電気通信大学大学院修了後、NECビッグローブ株式会社(現:ビッグローブ株式会社)にて動画配信サービスの企画運営を担当。2011年にハードウェア製造販売を行う岩淵技術商事株式会社を創業。自社製品開発以外にも、企業向けにハードウェアプロトタイピングやハードウェア商品企画の支援を行う。2014年、ハードウェアスタートアップアクセラレータ「ABBALab」の立ち上げやハードウェアスタートアップ向けのシェアファクトリー「DMM.make AKIBA」の企画運営を担当。2017年、センサーデバイスにより収集した情報の可視化プラットフォームを提供するファストセンシング株式会社を創業。マーケティングを中心とした業務を担当。

日野 圭(ひの けい)/DMM.make AKIBA テックスタッフ

DMM.make AKIBAのテックスタッフとして、施設運営および電気系・クラウド技術が関わる受託開発を担当。 大阪市立大学大学院修了後、日本電気株式会社にてコンピュータ回路設計とFW設計を経て、ワークステーションのOEM開発PMを担当。要件検討から保守まで、複数の企業とのハードウェアビジネスを経験。 その後、ビッグローブ株式会社にてWebインフラおよびDBを担当。2016年より現職。DMM.make AKIBA 企業向けIoT人材育成研修の講師を務める。

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執筆・構成:杉本恭子(すぎもと きょうこ)/フリーライター



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