特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2018年09月11日 11時30分 公開

オムロン 綾部工場レポート(後編):多品種少量生産を限りなく自動化に近づけるオムロン綾部工場の取り組み (1/4)

オムロンはモノづくり革新コンセプト「i-Automation」のモデル工場である京都府の綾部工場を公開。本稿では新たなモノづくりの実現に向け、自社実践を行う綾部工場での現場の取り組みをお伝えする。

[三島一孝,MONOist]

 オムロンは2018年8月28日、同社のモノづくり革新コンセプト「i-Automation(アイオートメーション)」への取り組みを紹介するととともに、そのモデル工場である京都府の綾部工場での自社実践の様子を紹介した。前編では「i-Automation」を中心としたオムロンのFA戦略の概要をまとめたが、後編では新たなモノづくりの実現に向け、自社実践を行う綾部工場での“The GEMBA”の取り組みを紹介する。

多品種少量生産が進んだ工場

 オムロンの綾部工場は、1986年に操業を開始。敷地面積は16万5000m2、建屋の延べ床面積は3万3000m2となっている。同工場で生産するのは、近接センサーや光電センサーなどのセンサー類から、基板はんだ検査装置や高速X線CT検査装置、モバイルロボットなどの完成品まで、サイズや価格、生産量、プロダクトライフサイクルが非常に多岐にわたる製品群を生産している。1万8千種に及ぶ品種数で年間3400万個の生産数となっており、多品種少量のモノづくりを行う工場である。

photo 綾部工場で生産する製品のラインアップ(クリックで拡大)出典:オムロン

 さまざまな製品を効率よく作ることが求められる中で、綾部工場は製品群の特性に合わせた付加価値を作り込む生産コア技術拠点とも位置付けられており、早くからさまざまなモノづくり革新の取り組みを行ってきた。

 操業開始時の1986年当時は「自動化」に徹底的に取り組んだ工場だった。しかし、当時の自動化技術では変化に柔軟に対応することが難しく、1990年代に入るとセル生産をベースとしたONPS(Omron New Production System)改善を推進した。これはトヨタ生産方式(TPS)をオムロン流にアレンジした独自の生産方式である。これらにLCIA(Low Cost Intelligent Automation)など独自の生産効率化の仕組みなどを取り入れてきた。

 2000年代、2010年代と混流生産ラインや環境アンドンなど新たな仕組みを取り入れながら進化を続け、現在は前編でも紹介したように「The GEMBA」として新たなモノづくりの価値を、工場として実証して生産性を高めながら、オムロン製品の価値を創出する役割を担っている。

photo 綾部工場におけるモノづくり革新への取り組み(クリックで拡大)出典:オムロン
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