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» 2018年09月28日 13時00分 公開

3D設計推進者が見た中国製造業とデジタル変革(2):ギアボックスで見る、デジタル製造一気通貫 (1/2)

「世界の工場」と呼ばれる中国であり、また世界有数の国際都市である上海の虹橋において「第20回 中国国際工業博覧会(CIIF2018)」が2018年9月19〜23日に開催された。会場周辺で、ダッソー・システムズ(Dassault Systemes)は、同年9月19〜20日まで「Manufacturing in the Age of Experience」を開催した。筆者は、ダッソーユーザーとして、また3D CAD推進者であり、製造業に関わる一人としてそこに参加した。

[土橋美博/飯沼ゲージ製作所,MONOist]

 「世界の工場」と呼ばれる中国であり、また世界有数の国際都市である上海の虹橋において「第20回 中国国際工業博覧会(CIIF2018)」が2018年9月19〜23日に開催された。会場周辺で、ダッソー・システムズ(Dassault Systemes)は、同年9月19〜20日まで「Manufacturing in the Age of Experience」を開催した。筆者は、ダッソーユーザーとして、また3D CAD推進者であり、製造業に関わる一人としてそこに参加した。

>>前回:中国製造業の成長が驚異的、一方日本製造業は?

製造の一気通貫を実演したワークショップ

 Manufacturing in the Age of Experienceの会場内で実施したワークショップでは、ダッソーの「DELMIA」を活用した5工程からなるギヤボックス製造のデモンストレーションを実施した。中国の清華大学の中にマッキンゼー&カンパニーが開設している「Mckinsey Digital Capability Center」が持つ製造の一気通貫の仕組みを実演するものだ。これらのワークショップでは、デジタルツール、業務シナリオ、バーチャルとリアルのデジタルツインといった仕組みを見ることができた。

 これにより、参加者自身はデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation:デジタルによる変革)を体験した。筆者もまたその変革については、非常に共感するとともに、その必要性を感じた。

オープニング:ステージ上のギヤボックス製造装置と。登壇者はDassault Systemes DELMIA CEOのGuillaume VENDROUX(ギヨーム・ヴァンドルー)氏

 マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)は、米国に本社を置くコンサルティング会社であり、米国、欧州、アジア、南米、東欧など世界60カ国に105以上の支社を持つグローバルな戦略系コンサルティングファーム。全世界の主要企業を対象にコンサルティング・プロジェクトを手掛けている。

 DELMIAは、グローバルな生産工程における生産計画・生産のためのシミュレーション(検証)、工程設計を行うデジタルマニュファクチャリングを行うためのシステムだ。

 製品の開発設計は異なるシステム(3D CAD)を使用するが、DELMIAによって、設計による製造工程への影響をはじめ、グローバルな市場の需要に応じた生産のための意思決定、製造変動による影響に至るまで、工場の生産全体をバーチャルに体験できる可視化の仕組みである。開発設計工程の3DやVR(仮想現実)技術の可視化だけではなく、製造工程のシミュレーションによって、実際の工場や製造ラインができる前から、製造工程の可視化が実現できる仕組みであると筆者は理解した。

 会場内のワークショップは以下のように構成され、製造の一気通貫システムをプラットフォーム上で利用できるものとして紹介されていた。

8つのインターラクティブワークショップ:出典:ダッソー・システムズ

 デモンストレーションは、製造上の品質問題が発生したことによりラインが停止したことを想定したシナリオになっていた。生産・出荷にどのような問題が生じ、これを解決するためのシミュレーションを再現し、プラットフォーム上での、状態の共有化と、早い解決が実行されていく様子が見られた。

 「Digital Transformation & Capability Building」(デジタルトランスフォーメーションと人材開発)と「LEAN Management」(リーン マネジメント:ムダが生じない管理)では、組立製造を管理し、継続的に改善について考えていく仕組みを実演した。

プラットフォーム上で、問題の共有と解決が実行されていく

 「Value Network Optimization」(バリュー・ネットワーク最適化:顧客と自社、サプライヤー、流通事業者から構成されるネットワークの最適化)は、組立製造を行うためのバリューチェーンの最適化を行う。

バリューチェーンの最適化
3D空間上でロボットシミュレーションを行うことによりサイクルタイムの最適化を行う
ロボット・オフラインプログラミングのフロー
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