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» 2018年10月04日 07時00分 公開

イノベーションのレシピ:洗濯機もクラウドにつながる時代、日立家電事業の勝算 (1/2)

日立グループで空調・白物家電を主要事業とする日立アプライアンスは、新開発の「AIお洗濯」機能を搭載したコネクテッド家電のドラム式洗濯乾燥機「BD-NX120C」を2018年11月17日より販売開始する。日立家電事業の未来を占うカギは、この洗濯乾燥機に搭載されたセンサーから得られる生活者のデータだ。

[松本貴志,MONOist]

 日立グループで空調・白物家電を主要事業とする日立アプライアンスは、新開発の「AIお洗濯」機能を搭載したコネクテッド家電のドラム式洗濯乾燥機「BD-NX120C」を2018年11月17日より販売開始する。日立家電事業の未来を占うカギは、この洗濯乾燥機に搭載されたセンサーから得られる生活者のデータだ。

 日立アプライアンスは2018年10月3日、東京都内で新型洗濯乾燥機の製品発表会と同月1日に発表した「日立コンシューマ・マーケティング」との合併に関する説明会を開催した。

ドラム式洗濯乾燥機「BD-NX120C」(クリックで拡大)

ボタンをワンプッシュするだけで最適な洗濯を可能にしたAIお洗濯

 BD-NX120Cの目玉機能は「AIお洗濯」と「風アイロン」、そして「ビッグドラムアプリ」の3つだ。この内、AIお洗濯とビッグドラムアプリが今回新開発された技術で、現代に増えつつある共働き世帯やシニア世帯に向けて、洗濯家事の時短や効率化、使いやすさといった付加価値を提供する。

 AIお洗濯では、流量センサーや温度センサー、加速度センサーなどを用いて、布量、洗剤種別、布質、水硬度、布動き、すすぎ具合、水温、汚れ量、脱水具合の9つの洗濯に関わるパラメーターをセンシング。AIお洗濯のボタンをワンプッシュするだけで、それぞれのパラメーターを自動計測し、洗濯の洗い、すすぎ、脱水の各行程で最適な制御を行うとする。

AIお洗濯でセンシングされるパラメーターと制御される項目(クリックで拡大) 出典:日立アプライアンス

 制御の一例として、水硬度と水温のパラメーターによって洗剤量と洗い時間を調整すると紹介。水硬度が低く水温が高い場合には、洗剤投入量を減らして表示し、洗い時間も短縮して運転を行う。また、たたき洗いの効果を最大化するため、布動きのパラメーターをドラム回転速度の調整に用いている。

 発表会では実際にAIお洗濯で用いられるセンシングをデモしており、水硬度の高低や液体洗剤と粉末洗剤の種別識別、汚れ具合の判定を行っていた。

左:汚れ具合の判定を行うデモ。洗濯ドラムを模擬したカップの中に汚れを注入している 右:汚れ具合を判定し、洗い時間を5分すると評価(クリックで拡大)

洗濯機とスマートフォンがつながる、洗濯コースのダウンロードも

 さらにBD-NX120CはWi-Fi接続機能を持ち、日立のコネクテッド家電プラットフォームと連携して各種機能を提供する。

左:「コンシェルジュ機能」と専用コースの概要 右:ビッグドラムアプリで利用できる各種機能(クリックで拡大) 出典:日立アプライアンス

 スマートフォンを活用するサービス「ビッグドラムアプリ」では、スマートフォン専用アプリよりユーザーの洗濯シーンに合わせて最適な洗濯コースを提案するコンシェルジュ機能を搭載。また、コネクテッド家電プラットフォーム上に泥汚れコースやダウンジャケットコースなどの専用コースが用意されており、ユーザーは好きな時にこれら専用コースを同機種にダウンロードし利用することが可能だ。専用コースは衣替えの時期などに順次追加する予定だとする。

 ダウンロードした洗濯コースは3つまで本体に保存が可能。3つは少々物足りないようにも思えるが、その理由として「洗濯機側でコース名が表示できず、dl1やdl2といった表記にならざるを得ないUI上の都合が大きい。また、組み込み機器ではROM容量の削減も求められているため」(同社担当者)だと説明した。

ダウンロードした専用コースで洗濯できるBD-NX120C(クリックで拡大)

 その他、運転終了やフィルター交換時期をプッシュ通知するお知らせ機能や、遠隔で運転状況の確認と運転終了予定時刻を変更できるリモート機能などが活用できる。

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