CEATEC JAPAN 2018 特集

“空質”ビジネスは共創で実現、ダイキン工業がCEATEC JAPANに初出展CEATEC 2018(1/2 ページ)

ダイキン工業は、「CEATEC JAPAN 2018」に初出展。空調ビジネスモデルが変化の局面を迎える中で、20の“現在進行形”プロジェクトを出展し、オープンイノベーションの観点から来場者との情報交換を進めた。

» 2018年10月17日 06時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 ダイキン工業は、「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16〜19日、千葉県・幕張メッセ)に初出展。空調ビジネスモデルが変化の局面を迎える中で、20の“現在進行形”プロジェクトを出展し、オープンイノベーションの観点から来場者との情報交換を進めた。

photo CEATEC JAPANに初出展したダイキン工業のブース(クリックで拡大)

「オープンイノベーションの実践の場」を強調

 出展に際し2018年10月16日に開催された記者説明会でダイキン工業 常務執行役員の舩田聡氏はCEATEC JAPAN出展の狙いとして「オープンイノベーションの実践の場」としての意義を強調する。

photo ダイキン工業 常務執行役員の舩田聡氏

 「ルームエアコン市場はこの夏、過去最大の市場規模となったが、一方で国内の家庭におけるエアコン普及率は90%以上に達し、一家に1台から1室に1台の時代に入っている。その中では持続的成長を実現するには冷暖房を超えた、感動などにつながる新たな価値を生み出す必要がある」と舩田氏は状況を説明。その新しい価値を生み出すために社内でもさまざまな取り組みを進めてきたという。

 具体的にはアジャイル型の製品開発体制を作ったことがある。従来新たな製品やサービスの開発については商品企画部門が基本的に調査して仕様やスペックなどを決める。それを基に設計部門が設計を行い、試作をし、量産対応を行い、最終的に製造部門が製品を作って世に送り出すという流れとなる。しかし、この流れでは開発から顧客の手にわたるまでに時間がかかりすぎる他、外れた時にリスクが大きくなりすぎるために、需要の見えない新しい製品を生み出すのは難しい。

 そこで、まず製品をより不完全な段階でもまず世に送り出せるようにITなどでも見られるようなアジャイル型の仕組みを取り入れた。工程の各段階で計画、設計、試作、評価のサイクルを回し、顧客の声を聞きながら仕様や実装の完成度を上げていくという手法である。

 さらに、この新たな製品やビジネスモデルの大本になるアイデアが生まれなければいない。そこでダイキン工業では製品の企画について、商品企画部門だけではなく、営業部門を含む部門をまたがって募集する取り組みを行っている。これにより募集された製品案やサービス案は年2回行われる選定会で選定し、選ばれた製品やサービスについては、2020年の製品化を目指して、開発を進めていくことを決めた。最終的に現在は20のプログラムが選定され、開発が行われている。

 今回のCEATEC JAPANではこの20のプロジェクトを中心にオープンイノベーションの場として、製品を磨き上げたり、パートナーを求めたりすることを目指しているという。

 舩田氏は「20の選ばれたプロジェクトの担当者にしっかり会場ブースに立つように指示をしている。ダイキン工業はCEATEC JAPANに出展するのは初めてだ。実際にブースに訪れた人との交流だけでなく、他の企業がどういうものを出展しており、そういう人たちがどういうものに関心があるのかを、新しいアイデアを携えた担当者が目にすることで、新たなパートナーシップの道や、開発の道も生まれる。そういう場として活用したい」と考えを述べている。

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