学生フォーミュラから学ぶ「ノウハウ継承」と「課題解決」学生フォーミュラ2018(3/3 ページ)

» 2018年10月19日 13時00分 公開
[西坂真人MONOist]
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「考える」という技術を高めていく

 多くの人間が関わる学生フォーミュラでは、人間関係の問題は避けて通れない。VSN執行役員人財採用本部本部長の元吉弘尚氏はこの普遍的なテーマについて「『人間関係に問題がある』と一言でいっても実はわれわれが思っている人間関係と、学生が言う人間関係は、もしかしたら中身が違うかもしれない。それをロジカルに明らかにしていくのが、われわれが提供している課題解決手法。しっかり分析すると『人間関係』と言っているものも実は本質的な課題の一部分でしかないことも多い。実は、明確なゴール設定がされていないのがそもそもの問題で、そこから派生する問題の一つが人間関係なのでは」と語る。

photo VSN執行役員人財採用本部本部長の元吉弘尚氏

 VSNでは、技術力とともに高い問題解決力も備えたエンジニアを育成し派遣する「バリューチェーン・イノベーター(以下、VI)」という課題解決サービスを提供している。このVI育成で同社が培った課題解決の手法を、もっと学生に知ってもらいたいと元吉氏は訴える。

 「VIは日本の産業界が発展するためにどうしても必要なことだと考えている。課題はどんな現場どんな仕事にもあるわけで、それを表面的ではなく、何が課題の本質なのかを見つけ出し、しっかり解決できるスキルが必要となる。産業界に従事する全員が当たり前のようにそういう考え方ができることが重要。考え方にも技術がある。『考える技術』で高いスキルを持っているのがVI。この考える技術というものをどんどん広めていきたい」(元吉氏)

 「考える技術」の習得は早ければ早いほどいい、という思いから小学生へのロジカルシンキング授業も開催しており、すでに10校以上で授業を行った実績を持つ。VSNでは今後も、学生フォーミュラ出場校向けのロジカルシンキングセミナーを積極的に展開していくという。

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