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» 2018年10月22日 11時00分 公開

WRS2018:オムロンが描く真の人協働とは、重要なのは“ロボットではない部分” (1/2)

オムロンは、ロボットの国際大会「World Robot Summit 2018」(2018年10月17〜19日、東京ビッグサイト)において、AGVと協働ロボットを組み合わせて円滑に部材などをピックアップする物流施設をイメージしたデモを披露した。

[三島一孝,MONOist]

 オムロンは、ロボットの国際大会「World Robot Summit 2018」(WRS2018、2018年10月17〜19日、東京ビッグサイト)において、AGV(無人搬送車)と協働ロボットを組み合わせて円滑に部材などをピックアップする物流施設をイメージしたデモを披露した。

photo オムロンが参考出展した協働ロボットとAGVによる(クリックで拡大)

テックマンとの協業で協働ロボットに参入

 「WRS2018」は、世界中から集結したチームがロボットの技術やアイデアを競う競技会「World Robot Challenge(WRC)」と、ロボット活用の現在と未来を発信する展示会「World Robot Expo(WRE)」で構成。このWREに出展したのが、協働ロボットとAGVを組み合わせて、自動で部品やワークをピックアップして運搬するというデモである。

 オムロンでは、2015年に米国のアデプトテクノロジーズを買収して産業用ロボット市場に参入したが、2018年5月に台湾のロボットメーカーTechman Robot(以下テックマン)と提携し、人とともに働く協働ロボット市場にも本格参入した※)。テックマンの協働ロボットの特徴として、一体型のインテリジェントなビジョンシステムを搭載していることがある。新たにビジョンシステムを追加することなくパターン認識やモノの位置や配置の検出、バーコード認識が可能となる。

※)関連記事:オムロンが協働ロボットに参入へ、台湾テックマンと協業

 WREでのデモでは、自動搬送モバイルロボット「LDシリーズ」との組み合わせで、ワークなどを自動でピックアップし運搬する様子を披露した。LDシリーズにより自律的に移動する協働ロボットが、指定された部材をピックアップして指定の場所に戻ってくるという、物流施設をイメージしたデモである。

デモンストレーションの2つのポイント

 このデモンストレーションのポイントは2つある。1つは、カメラによる認識とその情報を基にした判断をロボットが自律的に行い、その場その場で最適な動作を選択して作業を行っているという点である。

 まず移動については、モバイルロボットのLDシリーズが、人や障害物を自動で回避しながら最適なルートを自ら考え、決められた場所に動くことができる点を活用した。内蔵するレーザースキャナーで動作環境を測定し、SLAM(環境地図作製と自己位置推定)技術によって移動可能な範囲の地図を自動的に作製。地図とレーザースキャナーの測定結果を照らし合わせて自らの位置を特定しながら、人や障害物をどのように動いて避けるかをリアルタイムに考え、ぶつかることなく移動できるという特徴がある。このLDシリーズによりピックアップ予定の棚まで最適に移動する。

 ピックアップについては、まず協働ロボットのカメラで棚に取り付けたコードを認識。棚とロボットとの位置関係をまず認識する。棚の中でどの位置に指定された物品があるかは事前に設定するが、その物品のエリアにロボットアームを伸ばし、物品の状況を撮影して認識。つかみやすいものを選んでピックアップするという流れである。

photophoto 棚に取り付けられたコード(左)とピックアップの様子(右)(クリックで拡大)

 同じ物品を連続して取る場合は、1つ目をピックアップした際に再度カメラ撮影を行い、ピックアップした際に物品状況に変化が起こったかどうかを確認する。それにより連続で動作をしてもピックアップミスが起こらないようにしている。例えば、物品の中にはトイレットペーパーのような丸いものが用意されていたが、ピックアップしたことで棚内を転がり、位置関係が変わることなどが起こり得る。その変化の状況を取得して最適な作業を行えるようにしたものである。

 オムロンでは「通常の人が行っている倉庫での業務などで起こり得ることを想定し、あえて、丸いものなども用意し、ロボットが自律的に最適な判断ができることを見えるようにした」(担当者)としている。

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