パナソニックが描く100年の先にある未来
特集
» 2018年10月31日 07時00分 公開

製造業がサービス業となる日:「人の幸福から離れて、生き残る会社はない」パナソニック津賀社長 (1/2)

パナソニックは2018年10月30日、同社の100周年を記念して行う初めての全社ユーザーイベント「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018」(2018年10月30日〜11月2日)を開催。基調講演として同社の代表取締役社長 津賀一宏氏が登壇し「パナソニックは家電の会社から、暮らしアップデート業の会社になる」と宣言した。

[三島一孝,MONOist]

 パナソニックは2018年10月30日、同社の100周年を記念して行う初めての全社ユーザーイベント「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018」(2018年10月30日〜11月3日)を開催。基調講演として同社 代表取締役社長の津賀一宏氏が登壇した。

パナソニックは家電の会社から何の会社になるのか

 パナソニックにとって、2018年は創業100周年を迎える記念すべき年である。今回の基調講演のテーマは「次の100年の『くらし』をつくる〜パナソニックは家電の会社から、何の会社になるのか〜」とし、デジタル化などが進み変化が激しい時代の中で、従来のイメージである家電の会社からどう変化すべきかについて語った。

 津賀氏は「100周年の節目を迎える中で、社会において何の役に立つ会社なのかを悩み、自問自答に陥った。今はトンネルを抜けてすっきりしている」と語り、そして「パナソニックは家電の会社から、暮らしアップデート業の会社になる」と宣言した※)

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photo 「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018」の基調講演の様子(クリックで拡大)

 津賀氏は「パナソニックは創業以来、家電製品を作ってきた。その各時代で生きる人に求められていること、必要とされることが何かを考えて、技術を磨き、製品やサービスを開発して広く世に普及させる取り組みを行ってきた。これらの取り組みはモノづくりではあるが、それよりも先に人々の暮らしをほんの少しでもよくしたいという思いがあり、それを実現する手段としてモノづくりがあった。これは家電だけではない。移動をより便利にすること、工場をより効率的に柔軟にすること、なども全ては共通の思いを抱えていることに気が付いた」と語る。

 パナソニックはブランドスローガンとして2018年から「A Better Life, A Better World」を採用しているが「それぞれの場所で生きる人が、今日よりも明日が、少しでも良い暮らし、良い社会になっていくようにすること。これがパナソニックの存在意義であり、100年後も変わらない点だと考えている」と津賀氏はこれらの事業の底流にある思いを述べた。

暮らしアップデート業とは?

 これらをベースとし、この人々の生活や時間に常に寄り添い、より良い方向性に導いていくことを目指すのが「暮らしアップデート業」の意図である。

photo 基調講演で語るパナソニック 代表取締役社長 津賀一宏氏

 津賀氏は「暮らしというのは家や住まいだけを示すことではなく、人々が生活する全ての時間を対象とする。さらにアップグレードではなくアップデートとしたのも意味がある」と語る。

 例えば、多様性への対応である。現代は「多様化の時代だ」とされているが、津賀氏は「私は人々が変化して多様化したとは思わない。もともと人は多様なものだったが、従来はそれを発揮する手段がなかった。メーカーやサプライヤー側がこの多様性に応える体制を作ることができたから多様性が開放されたのである。そういう意味では、この開放された多様性に丁寧に向き合っていくことが今後の企業には求められることだと考えた」と語る。

 アップグレードはより良いものへと買い換えることである。これはメーカーにとっては意味があるが、多様性が開放された中で全ての変化に対して機器の買い替えを行うことは難易度が高い他、無駄も多くなる。さらに人は、一定方向の変化だけで進むのではなく、例えば今日と明日、朝と夜でも求めるものが異なってくる。「これらの多様な人の生活に追随し常に更新することが必要になってくるのだ」と津賀氏は、アップデートの意味について語っている。

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