JIMTOF 2018 特集
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» 2018年11月05日 08時00分 公開

JIMTOF2018:熱流束を検知して工作機械主軸の焼き付き防止、NTNのセンサー内蔵軸受ユニット

NTNは、「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」において、マシニングセンタなど工作機械主軸用のセンサー内蔵軸受ユニットを参考出品するとともに、独自開発のパラレルリンク構造を用いた手首間接モジュール「i-WRIST(アイリスト)」のデモを披露した。

[朴尚洙,MONOist]

 NTNは、「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」(2018年11月1〜6日、東京ビッグサイト)において、マシニングセンタなど工作機械主軸用のセンサー内蔵軸受ユニットを参考出品するとともに、独自開発のパラレルリンク構造を用いた手首間接モジュール「i-WRIST(アイリスト)」のデモを披露した。

NTNが参考出品した工作機械主軸用のセンサー内蔵軸受ユニットのデモ NTNが参考出品した工作機械主軸用のセンサー内蔵軸受ユニットのデモ。0〜1万rpmの高速運転を行いながら、軸受の状態を監視している(クリックで拡大)

 同社は工作機械におけるIoT(モノのインターネット)活用に向け、重要部品である軸受の状態をより素早く的確に検知できるセンサーを内蔵した軸受製品の開発を進めている。今回出品した工作機械主軸用センサー内蔵軸受ユニットもその1つで、2つの軸受の間にある外輪間座に、温度、振動に加えて熱流束を検知できるセンサーを内蔵した。

 熱流束は、熱の移動量と方向を示すもので、温度センサーよりも熱による変化をより高い感度で検知できる。従来の工作機械主軸の状態監視は、主軸外径面に外付けしたセンサーで行っていたが、今回展示した軸受ユニットであれば、センサーの内蔵と熱流束の検知により従来比約40倍の感度で主軸内部の温度上昇率を検知できる。「外付けセンサーで温度上昇を検知したときには、既に主軸は焼き付いてしまっており交換を余儀なくされる。しかし新開発の軸受ユニットを使えば、焼き付きを未然に防止できる」(NTNの説明員)という。

カットモデル荷重検知のデモ 工作機械主軸用のセンサー内蔵軸受ユニットのカットモデル(左)。2つの軸受の間にある外輪間座の赤い部分にセンサーを内蔵している。センサー内蔵軸受ユニットにおける荷重検知のデモ(右)(クリックで拡大)

 この他に、センサー内蔵軸受ユニットの性能向上に向けた取り組みとして、荷重を検知できる技術も展示していた。

人間が手首を曲げるように動くパラレルリンクロボット

 一方、i-WRISTは、NTNが自動車部品のドライブシャフトで培った技術を応用した製品だ※)。パラレルリンク構造を応用し、縦331×横286×高さ202mmのコンパクトなサイズで折れ角90度、旋回角360度を実現している。これにより、i-WRISTの先端に付けたカメラやディスペンサーなどを使って、人間が手首を曲げるような動きで精密な作業ができるとする。2018年6月から量産を開始した。

※)関連記事:NTNがパラレルリンクロボットに参入! 独自機構による高速性・広可動角度を訴求

 展示では、外観検査用カメラを装着して、XYZステージ上の回転台に載ったミニチュアカーの全周を撮影するデモを披露した。「一般的な多関節の産業用ロボットでは難しい作業が行える。最大可搬質量は1kgなので重量物は持てないが、繰り返し位置決め精度は±0.5度なので精密な組み立て作業にも適している」(同社の説明員)。

外観検査用カメラを用いた「i-WRIST」のデモ 外観検査用カメラを用いた「i-WRIST」のデモ(クリックで拡大)

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