世界10カ国の女性78%が「困難に感じる」と回答、テック業界への就業キャリアニュース

ブッキング・ドットコム・ジャパンが、テック業界に従事する世界10カ国の女性を対象とした調査結果を発表。女性不足である業界の現状を好機と捉える女性が64%いる一方で、78%が「業界に加わること自体が困難だと感じる」と回答した。

» 2018年11月06日 13時00分 公開
[MONOist]

 ブッキング・ドットコム・ジャパンが「女性たちがテック業界に抱く期待と乗り越えるべき壁」に関して、世界規模で実施した調査の結果を発表している。同調査は、世界10カ国(イギリス、アメリカ、フランス、ブラジル、オランダ、ドイツ、中国、オーストラリア、インド、スペイン)の、テック業界に従事する女性と同業界でのキャリアに関心を寄せる女子学生6898名を対象としたものだ。

 まず、テック業界でのキャリアを追うことに、女性であることが良い影響を与えていると感じるかについて、64%が「感じる」と回答した。テック業界の女性不足は一般的にも認知されており、その現状をチャンスとして捉えていることがうかがえる。

 また、「テック業界に惹かれる理由」のトップは、「イノベーション」(50%)。続いて「クリエイティビティ」(44%)、「自らを成長させる機会の多さ」(34%)だった。

photo テック業界に惹かれる理由 出典:ブッキング・ドットコム・ジャパン

 上位に挙がった理由から、テック業界での就業に、夢や理想的なキャリアを思い描いている女性が多いことが分かる。そこで、「夢のような仕事」の条件として最も重要なことを尋ねたところ、「やりがいがあること」(84%)が1位を獲得した。2位は「元々持っているスキルに合っていること」(83%)、3位は「自分の道を切り拓いていけること」(81%)となっている。

photo 「夢のような仕事」の条件として最も重要なこと 出典:ブッキング・ドットコム・ジャパン

 テック業界に魅力や期待を感じる一方で、同業界に入ることを躊躇したり、女性であることを不利だと感じる人も少なくない。「女性を阻むハードル」として、52%が「テック業界が男性優位な環境となっていること」、32%が「採用過程においてジェンダーバイアスがあること」を挙げている。

 次に、ジェンダーバイアスがテック業界での就職に悪影響をおよぼしていると感じるかを尋ねた。その結果、「ブラジル」は59%、「フランス」は45%が「悪影響をおよぼしている」と回答した。逆に、フランス以外のヨーロッパ諸国は「オランダ」が18%、「イギリス」「ドイツ」が22%と、悪影響を感じている人は比較的少なかった。

photo ジェンダーバイアスがテック業界での就職に悪影響をおよぼしていると感じるか 出典:ブッキング・ドットコム・ジャパン

「業界に加わること自体が困難」と78%が回答

 「決定権を持つ女性職員が不足している現状が、テック業界での女性の可能性を狭めているか」という設問に対しては、32%が「狭めている」と回答。特に女子高校生の40%が不安を感じていた。

 「業界に加わること自体が困難だと感じるか」という問いには、78%が「感じる」と回答した。また、77%が「特定部門で成長、成功するのは難しいと考えている」ことが明らかになった。

photo テック業界に加わることの困難さや、特定部門での成長について 出典:ブッキング・ドットコム・ジャパン

 テック業界を志望する女子学生について見ると、「テック業界でのキャリアで自らのクリエイティビティを自由に活かせると感じている」と回答したのは、世界平均の33%に対し、女子高校生が43%、女子大学生が40%だった。

 また、「若年者でも成功する機会がある」と女子高校生の29%が回答したが、これは、テック業界経験者では20%だった。「キャリアパスを自ら形成できる」は、女子高校生30%、テック業界経験者の22%が回答している。さらに、「自分が決めたキャリアでやりがいを持って働きたい」と女子高校生の88%、女子大学生の85%が感じていることが分かった。

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