JIMTOF2022 特集

レーザー加工だけで実現する撥水効果、金型表面に施し離型効果2割以上増加JIMTOF2018

牧野フライス製作所は「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」において、切削加工だけで撥水効果をもたらす加工パターン「ロータスパターン」を紹介した。

» 2018年11月19日 11時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 牧野フライス製作所は「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」(2018年11月1〜6日、東京ビッグサイト)において、切削加工だけで撥水効果をもたらす加工パターン「ロータスパターン」を紹介した。金型表面などでの活用を提案し、離型効果向上を目指す。

photo 「ロータスパターン」を施した金属表面(クリックで拡大)

撥水加工をもたらすロータスパターンとは

 牧野フライス製作所が開発する「ロータスパターン」は、1000兆分の1の超短パルスレーザーによる加工で、蓮の葉の表面形状を模して作られた加工パターンである。この加工パターンを金属表面に施すことで撥水効果を得られることから、同パターンをさまざまな用途に活用しようと提案を進めている。

 用途として有力視されているのが金型である。射出成形機の金型などではうまく型とワークが離れずに、歩留まりや作業効率が落ちるようなことがよく起こるが、金型表面にこのロータスパターンを施し撥水性を高めることで、離型性の改善が狙える。既に実証は進めているが「2〜3割は離型性を高めることができる」(ブース説明員)としている。

photo 「ロータスパターン」による離型性の検証結果(クリックで拡大)出典:牧野フライス製作所

 現状での課題としては、撥水効果をさらに高めるような開発を進める必要がある他、面の加工スピード向上があるとしており、これらの研究開発とともに用途開発をさらに展開する方針である。

photo 撥水効果が生かせる医療用メスなどへの提案なども進めているという(クリックで拡大)

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