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» 2018年11月27日 13時00分 公開

ママさん設計者も参戦!:VRに燃えろ、キャラに萌えろ――VTuberって何だ?「VTuberハッカソン長野・塩尻大会」 (1/4)

最近、自分の周辺で「ハッカソン」という言葉を見聞きすることが多くなりました。でもまだまだ「ハッカソンってなに?どういうことをするの?」と質問されることのほうが多く、その内容が当たり前に知られているわけではありません。

[藤崎 淳子/Material工房・テクノフレキス,MONOist]

 皆さんこんにちは! Material工房・テクノフレキスの藤崎です。

 最近、自分の周辺で「ハッカソン」という言葉を見聞きすることが多くなりました。でもまだまだ「ハッカソンってなに?どういうことをするの?」と質問されることのほうが多く、その内容が当たり前に知られているわけではありません。なので、今回のお題:「VTuberハッカソン」のお話の前に、ハッカソンという言葉の意味についてご説明しましょう。

 ハッカソンとは、難題を巧みに解決するテクニックを意味する「ハック(Hack)」と、「マラソン(Marathon)」を掛け合わせた造語です。これは与えられた課題に対し、デザイナーやプログラマーやハードウェア開発者ら、業種、職種を超えたメンバーが集まっていくつかのチームを組み、メンバー各自が得意とする技術やアイデアを持ち寄りながら開発を行い、その成果を競う短期集中型のイベントです。

 そして今回のもう1つのキーワードは「VTuber(ブイ・チューバー)」。これは、「バーチャル・ユーチューバー」のことです。皆さんがご存知のユーチューバーは生身の人間ですが、演者をCGキャラクター化したものをVTuberと呼び、これを作って楽しむこともまた、数年前から密かなブームになっているのです。

 つまり「VTuberハッカソン」とは、チーム単位でオリジナルの脚本をつくり、それに合わせたCGキャラクターを作り、キャラクターに動作とセリフを与えて一つの動画を製作する。そしてこれを決められた時間内にYouTubeにアップロードするという、萌え要素を含みつつも実にタイトでスリリングなイベントなのです。

 このVTuberハッカソンは、VR・パノラマ専門メディア「PANORA」と、VR開発者のコミュニティー「SVVR Japan」が企画・運営しているもので、2018年2月24〜25日には「第1回 VTuberハッカソン」が開催されました。やがてそれが、学生や異業種間のコラボレーションによって新しい価値を創造する文化的なイベントとして話題となり、現在「VTuberハッカソン 全国ツアー2018」と銘打って、各地で地方大会が開催されているのです。

 各地方大会の最優秀賞チームは、東京で開催されるプレミアム大会に出場する権利を獲得できるということで、さながら夏の全国高校野球選手権大会のようです。どの地方大会もプレミアム大会出場権を賭けて熱く盛り上がっていると聞き、様子だけでも見てみたいと思い立ち、ろくに予備知識もないまま同年11月17〜18日に開催された「長野・塩尻大会」に参加してまいりました。この二日間で「総智・総力」を尽くした結果は後ほど……!

 今回の長野・塩尻大会はプロノハーツが主催し、一般財団法人 塩尻市振興公社の共催で開かれました。参加者数は20人。開会式のあと、プロノハーツの藤森匡康氏から、作業フローの説明とルールの説明を受け、その後3つのチームに分かれてハッカソンスタートです。

ルール

  • 一人以上のチームを編成する
  • オリジナルのCGキャラクターを作るか、二次創作ではないオリジナルキャラモデルの許諾を権利者に取って利用する
  • キャラクターにセリフをしゃべらせる
  • その様子を1分30秒以上5分以内の動画として編集してYouTubeに投稿する
  • 番組内で使用するすべての素材の権利が問題ない状態にする
  • 公序良俗に反するコンテンツを開発しない

 キャラクター作成では、2次元のCGイラストに動きをつけてアニメーション化できる「LIVE 2D」や、直接3D CGキャラクターが作成出来る「V★カツ」「Vroid」といった支援ソフトを使うことが出来ます。

 撮影ソフトには有償、無償いろいろありますが、主だったものとして「Virtual Cast」「Face Rig」「N Air」が使われ、セリフは肉声を録音するか、作品イメージに合わせて「棒読みちゃん」や「Vocaloid」を使って音声を合成するという手を使うことが出来ます。今回は3チームともキャラクターの原画を用意してきたので、「LIVE 2D」と「Face Rig」を使って動画制作作業を進めることにしました。

 今回の参加者は全員「VTuberってなに?」という面々……。しかも、どうやら過去の地方大会参加者の平均年齢を大きく上回るであろう「人生のベテラン」が勢揃いしてしまいました。

 皆さん通常は、製造業で設計や開発に勤しむエンジニアやプロダクトデザイナーであったり、趣味でイラストを描いている会社員や高校生であったりで、シナリオを作るとかCGを作って動かして動画を作るとか、声優としてセリフをしゃべるなんてこととはおよそ無縁の人ばかり。要するに「ド素人の集まり」でありました。

 タイムリミットは同年11月18日の16時ちょうど。この時間までにVTuber動画をYoutubeにアップロードし、そのURLを主催者に提出しなければいけません。動画の収録時間には1分30秒以上5分以内というレギュレーションがあるので、締切時間に間に合ってもそれを外したら失格です。

 皆さん本業においてはその道のプロでも、今回ばかりは全員が未経験の領域。蛇の道は蛇ともいかず、制作ツールひとつ取っても皆でその使い方を模索しながら作業を進めていきます。はてさて、どうなることでしょうか……。

チーム・にんにん

 こちらは「チーム・にんにん」です。メンバーのにんにんさんが、「我が子が描いた絵をVTuberで動かしたい」ということで、はるばる愛知県から参加されました。

チーム・にんにんの皆さん

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