粉体グリッパーに子供部屋片付け、トイレ掃除も〜WRS2018レポートダイジェストWorld Robot Summit徹底解剖(5)(3/3 ページ)

» 2018年12月26日 10時00分 公開
[大塚実MONOist]
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コンビニの商品陳列と廃棄をロボットが担う

 フューチャーコンビニエンスストアチャレンジの陳列・廃棄タスクは、1位が「U.T.T.」(東芝/名城大学)、2位が「ROC2」(オムロン/中京大学/中部大学)、3位が「Hi-KCCT」(日立/神戸高専)と、メーカー参加チームが上位を占めた。

2位に入った「ROC2」チームの競技の様子 2位に入った「ROC2」チームの競技の様子(クリックで拡大)

 U.T.T.チームのロボットは2本指のグリッパーを持つが、小型の吸着ユニットも装備。対象物に応じて、適した方で把持できるようになっていた。またユニークなのは、棚を引き出せるタイプに交換したこと。他のチームは、上方にロボットアームの移動スペースを確保するため、棚の間隔を広くしている場合が多かったが、これなら商品をたくさん並べられて実用的だ。

棚を引き出して商品を陳列し、終わったら戻す 棚を引き出して商品を陳列し、終わったら戻す(クリックで拡大) 出典:World Robot Summit

 陳列は全て成功。廃棄は、難しい角度のサンドイッチがいくつか残ってしまったものの、合計74点(100点満点)という高得点をゲットした。フューチャーコンビニエンスストアチャレンジの総合順位も、このU.T.T.チームが1位となっている。

 3位のHi-KCCTは、双腕ロボット「NEXTAGE」を使用。同時に2個持つことが可能なので、スピードアップが期待できる。神戸高専が開発した吸着グリッパーもユニークで、形が全く違うものでも確実に把持を行っていた。

双腕ロボットで、ドリンクも2つ同時に持つ 双腕ロボットで、ドリンクも2つ同時に持つ(クリックで拡大) 出典:World Robot Summit

「サービス」部門の各競技の結果

パートナーロボットチャレンジ(リアルスペース)

  • 1位:Hibikino-Musashi@Home(日本)
  • 2位:OIT Challenger and Duckers(日本)
  • 3位:AISL-TUT(日本)

パートナーロボットチャレンジ(バーチャルスペース)

  • 1位:NICT(日本)
  • 2位:SOBITS(日本)
  • 3位:eR@sers(日本)

フューチャーコンビニエンスストアチャレンジ

  • 総合1位:U.T.T.(日本)
  • 陳列タスク1位:U.T.T.(日本)
  • 陳列タスク2位:ROC2(日本)
  • 陳列タスク3位:Hi-KCCT(日本)
  • 接客タスク1位:NAIST-RITS-Panasonic(日本)
  • 接客タスク2位:TCR(日本)
  • 接客タスク3位:homer@UniKoblenz(ドイツ)
  • 清掃タスク1位:TCR(日本)
  • 清掃タスク2位:TAK(日本)
  • 清掃タスク3位:H3(日本)

Pepperがプラットフォームの競技も

 「ジュニア」部門では、ソフトバンクの「Pepper」を使う「スクールロボットチャレンジ」と、オリジナルロボットを用意する「ホームロボットチャレンジ」が実施された。これについては結果の紹介だけにしたいが、最終日には他国のチームと協力する「グローバルコラボレーション」も行われ、参加者には良い経験になったのではないだろうか。

堂々と英語でプレゼンした中学生チーム最終日のグローバルコラボレーション (左)この「Vanilla」は中学生チームだったが、堂々と英語でプレゼンしていて立派だった。(右)最終日のグローバルコラボレーションでは、複数チームで協力して課題に取り組んでいた(クリックで拡大)

「ジュニア」部門の各競技の結果

スクールロボットチャレンジ

  • 1位:I want to eat RAMEN!(日本)
  • 2位:SMILE(日本)
  • 3位:DSTY(日本/ドイツ)

ホームロボットチャレンジ

  • 1位:Tamagawa Academy Science Club(日本)
  • 2位:Sinag(フィリピン)
  • 3位:Robo Power(日本)
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