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» 2018年12月28日 13時00分 公開

製造マネジメントニュース:ヤマハ発動機が新中計に向け大規模な組織変更、IT本部と生産技術本部を新設

ヤマハ発動機は、2019年1月1日付で行う組織変更と人事異動を発表した。社内のIT、デジタル部門を集約した「IT本部」と、全社の成長戦略を支える生産技術の構想、開発、実現に向けた「生産技術本部」の新設に加え、多くの本部組織、ユニット組織の再編も行う大規模なものとなる。

[朴尚洙,MONOist]

 ヤマハ発動機は2018年12月27日、2019年1月1日付で行う組織変更と人事異動を発表した。社内のIT、デジタル部門を集約した「IT本部」と、全社の成長戦略を支える生産技術の構想、開発、実現に向けた「生産技術本部」の新設に加え、多くの本部組織、ユニット組織の再編も行う。これらは、2018年12月に発表した2019〜2021年の中期経営計画※)に向けた大規模なものだ。

※)関連記事:2021年に売上高2兆円、営業利益率9%、ヤマハ発動機らしいソリューションで

 新設のIT本部は、新たな経営システムと中長期成長戦略の実現に向けて、最新デジタル技術やデータの戦略的活用を事業/機能横断かつグローバルに加速/推進することを目的としている。具体的には、先進技術本部傘下のデジタル戦略部と企画財務本部傘下の「プロセス・IT部がIT本部に移管されることになる。

 一方、生産技術本部では、同社の生産技術関連組織を統合、再編することになる。まず、パワートレインユニット傘下の企画推進部の機能の一部を生産技術本部に移管し「生産技術企画部」とする。パワートレインユニットコンポーネント統括部傘下の生産技術部とPF車両ユニットコンポーネント統括部傘下の生産技術部」を統合/再編し、生産技術本部の傘下に置く。パワートレインユニットコンポーネント統括部傘下の設備技術部、材料技術部、金型技術部、PF車両ユニットコンポーネント統括部傘下の試作技術部も生産技術本部に移管される。

 組織再編は、モビリティ技術本部、先進技術本部、生産本部、パワートレインユニット、PF車両ユニット、CS本部、マリン事業本部で実施する。

 モビリティ技術本部の再編は、新しいパーソナルモビリティのビジネス検討を行うとともに、電動化技術の技術開発企画機能の強化を図ることが目的となる。まず、同本部の直下で四輪車の開発を進めていたNLV推進部を再編して「モビリティ戦略部」とし、新しいパーソナルモビリティの開発を担当しているNPM事業統括部に移管する。同社は新中期経営計画の発表の際に、四輪の乗用車の開発を一時凍結することを明らかにしている。NLV推進部の再編は、その方向性に沿うものだ。

 一方、NPM事業統括部傘下でLMW(リーニングマルチホイール)車両の開発を担当してきたLMW開発部は、LMW設計機能をPF車両ユニットPF車両開発統括部SP開発部に移管し、LMWのシステム開発機能をNPM事業統括部PM先行開発部に移管。LMW開発部は発展的に解消する。EM開発統括部EM車両開発部は、電動モビリティの車両開発機能をPF車両ユニットPF車両開発統括部へ移し、EM車両開発部も発展的に解消する。その一方で、電動モビリティに関する技術開発企画機能の強化を図ることを目的に「EM開発企画部」を新設する。

 さらに、MBSE(モデルベースシステムズエンジニアリング)の導入推進機能を担う「デジタル開発統括部」を新設する。その傘下に「MBSE推進部」を新設するとともに、先進技術本部技術企画統括部のデジタルエンジニアリング部を移管する。

 PF車両ユニットへの機能移管は、車体開発技術力のさらなる向上と、一貫性のある開発プロセスマネジメントによる開発生産性向上、魅力ある次世代モビリティの開発を目的とするものだ。PF車両ユニットのPF車両開発統括部には、コンポーネント統括部の機能ユニット技術部も編入される。

 先進技術本部は、事業開発と技術開発の企画機能の融合を目的とした再編を行う。まず、技術企画統括部と傘下の技術企画部の技術企画機能を、NV(ニューベンチャー)事業統括部内のNV企画部」に統合し、「企画部」とする。なお、「技術企画統括部」と傘下の「技術企画部」は発展的に解消する。また、NV事業統括部のNV企画部で進めていたLSM(ロースピードモビリティ)事業開発機能と、モビリティ技術本部内の技術開発機能を再編し、NV事業統括部傘下に「LSM開発部」を新設する。新中期経営計画では、このLSMに当たる低速自動運転システムの注力する方針を示していた。

 なお、NV事業統括部長を務める白石章二氏が、2019年1月1日付の人事異動で同社2人目のフェローに就任することとなった。1人目のフェローである平野浩介氏は、企画・財務本部と新設となるIT本部のデジタルトランスフォーメーション担当に就任する※)

※)関連記事:ヤマハ発動機唯一のフェローはインテル出身、2030年に向けデジタル改革に挑む

 生産本部は、理論値生産活動のさらなる強化を進めながら、海外拠点、各事業への製造現場支援体制を固めるとともに、生産戦略企画機能を強化するための再編を行う。エンジン製造を担うEG製造統括部と、ボディー製造を担うBD統括部を統合し「製造統括部」とし、二輪車を生産するMC車体工場の名称も「組立工場」に変更する。この他、各製造部から保全機能を集約した「保全技術部」、生産革新や組立技術の機能を移管した「製造技術統括部」を新設するなどしている。

 パワートレインユニットの再編は、次世代パワートレインのコンポーネント企画/開発機能強化が目的。モビリティ技術本部や生産本部、生産技術部への機能移管が行われる一方で、「パワートレイン企画統括部」を新設し、プロセス技術部とユニット技術部の設計機能を再編した「コンポーネント開発部」と「企画推進部」を傘下に置く。

 これらの他、CS本部では顧客基点での品質活動強化と部品マーケティング活動の強化を目的とした再編を行う。マリン事業本部も、総合マリンビジネス戦略のさらなる強化および提供価値拡大を目的に、ME事業部、ボート事業部、マリン事業部の発展的な解消と各機能の再編を実施する。加えて、FRP材料開発/工法開発強化を目的に、マリン事業本部の傘下にソリューション事業本部のプール事業推進部を編入する。

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