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» 2019年01月07日 10時00分 公開

ETロボコン2018:平成最後のETロボコンはライントレースに画像認識やAIが融合〜ETロボコン2018チャンピオンシップ大会〜 (1/3)

平成最後となる2018年のETロボコンでは、デベロッパー部門のアドバンストクラスに、コースに描かれた数字を読み取る「AIアンサー」が新たに導入された。「ブロック並べ」にも変更が加えられさらに難易度が上がったが、今回のレース結果はいかに。2回目となるガレッジニア部門と併せて、各チームの奮戦を動画とともに紹介する。

[大塚実,MONOist]

 組み込み分野における人材育成を目的とした「ETソフトウェアデザインロボットコンテスト(ETロボコン)2018」が2018年11月14日、パシフィコ横浜にて開催された。ETロボコンの開催は今回で17回目。この日に行われた全国大会(チャンピオンシップ大会)には、地区大会で好成績を収めた40チームが出場し、2部門3クラスで熱戦が繰り広げられた。

カラーセンサーで文字を読み取れるか? カラーセンサーで文字を読み取れるか?(クリックで拡大)

今回も高難易度の新ゲームが導入

 「デベロッパー」部門は、今回も入門者向けの「プライマリークラス」と上級者向けの「アドバンストクラス」で開催された。まずは、ゲーム内容がより高度になったアドバンストクラスからお伝えしよう。

 デベロッパー部門では、LEGOの「MINDSTORMS」で作った「走行体」と呼ばれるライントレースロボットを使用する。走行体自体は各チームで用意するものの、ハードウェアの構成は全く同じになっており、機能や性能に違いは無い。しかしソフトウェアの違いだけで、競技の結果はまるで異なってくるのが面白いところだ。

 ETロボコンの大きな特徴といえるのは、UMLなどによるソフトウェアモデルも重視していることである。競技結果のほか、モデル審査結果も加えて総合評価が行われるため、競技結果だけ良くても総合優勝は難しい。モデルの出来次第で、競技結果の順位が入れ替わる可能性があるのだ。

 走行体は、プライマリークラスが二輪倒立振子の「EV3Way-ET」、アドバンストクラスが3輪型の「HackEV」を使用。構成は基本的に今までと同じだが、従来のタイヤが生産終了となったため、今回からは少し大きなタイヤが使われており、細かい制御がやや難しくなっているということだ。

両クラスの走行体とコース 両クラスの走行体とコース(クリックで拡大)

 アドバンストクラスは、前半のタイムレースと後半のゲームに分かれており、前半の走行タイムからゲームで得たボーナスタイムを引いた「リザルトタイム」で順位を競う。コースはLとRの2種類が用意されており、各チームはそれぞれ1回ずつ挑戦。両コースの合計リザルトタイムで順位が決まる方式だ。

 Lコースのゲームは今回初めて導入された「AIアンサー」だ。出題された2つの数字の上を走行することで、その数字が何なのか当てるというもの。認識した結果は、各3桁の2進数に変換し、各桁に対応するブロックを1/0のエリアに動かすことで表現する。2つとも正解すると「ご名答」となり、さらにボーナスを得ることができる。

手前が「AIアンサー」のエリア。ブロックの位置はこれで正解 手前が「AIアンサー」のエリア。ブロックの位置はこれで正解(クリックで拡大)

 Rコースのゲームは引き続き「ブロック並べ」だが、今回は固定カメラを導入した。このゲームでは、4色あるブロックを格子の同じ色のところに運ぶ必要があるが、通常、ブロックの色を調べるために、カラーセンサーを毎回持ち上げなければならなかった。固定カメラの画像から色を判断すれば、この動きが不要でタイムを短縮できる。

「ブロック並べ」の様子カメラからはこのように見える 「ブロック並べ」の様子(左)。このように黒以外の4色を正しく動かす。カメラからはこのように見える(右)。全ブロックの色が分かるわけだ(クリックで拡大)
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