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» 2019年01月09日 11時00分 公開

いまさら聞けない「アフター市場収益化」入門(1):アフター市場は競争領域! 収益に結びつく5つの理由 (1/2)

製造業のアフターマーケットが競争領域であるとの認識を持っている企業は決して多くない。本連載ではアフターマーケットがいかに収益に結びつくのかといった点に焦点を当て、事業的重要性や業務上の課題、今後の方向性等を解説する。

[落合克人/シンクロン・ジャパン,MONOist]

 製造業のアフターマーケットについてどのようなイメージを持たれているだろうか? 一般的には製品販売後の顧客サポート分野として認知されていると思われるが、そもそも同分野が自社の競争領域であるとの認識を持っている企業が決して多くない。

 筆者は製造業のアフターマーケット分野で業務支援やコンサルティング事業に従事している。その経験を基に、本連載では製造業のアフターマーケットという事業領域がいかに収益に結びつくのかといった点に焦点を当てる。同分野について、事業的重要性、業務上の課題、日本と欧米での立ち位置の差、今後の事業としての方向性等を解説したい。

 既に何らかの知識をお持ちの方にとっては言わずもがなの内容もあろうかと思うが、上述の通り、多くの皆様の関心をいただくことを主眼としている。是非、最後までお目通しいただきたいと願う。

アフターマーケットは競争領域である

 筆者は今までに複数回、日本国内の製造業向けのセミナーや展示会でアフターマーケット事業の重要性や競合差別化の可能性を訴えてきた。その事後アンケートでは、「企業としてそこまで深くアフターマーケットという事業を捉えていなかった」という感想を目にすることが多い。

アフターマーケットに対する理解は高くない 出典:Syncron Japan

 この事実を前提として、本稿ではアフターマーケット領域の重要性をお伝えするとともに、今後の日本製造業のあるべき姿に意識を傾けてもらうことを目的としている。

 なぜならば、アフターマーケットは製造業企業とその顧客をつなぐ大事な事業領域であるからだ。それゆえに、その内容の程度が顧客満足度を大きく左右し結果的に今後の企業発展に大きく影響する。アフターマーケットは製造業の競争領域の1つであり、部署を問わずどの立場であっても関心を持つべき事業領域なのである。

 それでは、このアフターマーケットという事業がどれ程重要なものなのか、いくつかのキーワードを基に説明する。

1. アフターマーケットは収益性が高い

 下図のスマイルカーブを参照いただきたい。

スマイルカーブに見る収益分布(クリックで拡大) 出典:Syncron Japan

 スマイルカーブは1990年代から提唱された業務付加価値の判断材料で、アフターマーケット事業は製品の開発や製造事業に比べると、収益率が非常に大きいという特徴を持っていることが見て取れる。企業経営にとって、アフターマーケットは収益確保という点で非常に大きな恩恵をもたらす事業であるということが明確にお分かりいただけると思う。

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