特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2019年01月10日 11時00分 公開

MONOist 2019年展望:工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か (1/3)

労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。

[三島一孝,MONOist]

 労働力不足が加速する中、製造業における人手不足は深刻化している。経済産業省がモノづくりの動向についてまとめている「ものづくり白書」2018年版では、人材確保対策についての企業調査を行っているが、人材確保の状況が厳しくなっている状況が浮かび上がっている。

 人材確保について「特に課題はない」とした回答は前回調査の19.2%から大きく減少し5.8%となり、ほとんどの企業が課題に感じている状況が明らかとなっている。合わせて「大きな課題となっており、ビジネスにも影響が出ている」とした回答は22.8%から32.1%と約10%増加しており、ビジネスへの影響度も増している。

photo 製造業における人材確保の状況。「特に課題はない」が大幅に減少し「大きな課題となっておりビジネスにも影響が出ている」が大きく増加している 出典:経済産業省「ものづくり白書2018年版」

 同様の傾向は国内に限った話ではなく、少子高齢化で労働人口が減少傾向に進む中国やタイなど日系企業が生産地として活用している地域などでも今後労働力不足が深刻化する見込みである。その中で製造現場における「自動化領域の拡大」は多くの製造業における大きなテーマとなっている。

主工程以外に存在するポテンシャル

 ただ、多くの工場において、自動化による省人化は以前からのトピックであり、多くの工程で既に専用装置や産業用ロボットの活用が進んでいる。プロセス製造業は当然工場全体が巨大な装置であるため基本的には作業そのものは自動である他、高精度が要求される半導体や精密機器などでは専用装置が導入されており、クリーンルーム内で完全無人化としたものも多い。産業用ロボットの活用では自動車産業で進んでおり、溶接工程などはほぼ行き渡っている状況だ。

photo 自動車産業の溶接用途は産業用ロボットの導入が最も進んでいる領域である

 多品種少量生産が求められ人手によるセル生産による組み立てが活用されている領域では産業用ロボットの対応力の問題でまだまだ導入が道半ばというものも多い。ただ、産業用ロボットそのものも高速、高精度といった特徴に加え、画像活用やティーチングレスなどで柔軟性を高めており「組み立て工程をロボットにより自動化する」という動きは着実に増えている。

 こうして見ると、工場における自動化はほぼめどが立ちつつあるようにも見えるが、そうではない。ここまで見てきたような製造に密接に関係する主工程については、自動化を含む投資の対象になりやすいが、自動化が立ち遅れており、意外にも人手が多く使われているというのがこうしたスコープに入っていない領域である。

 その中で2018年から2019年以降に導入が加速しそうなのが「搬送」と「検査」の自動化領域の拡大である。

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