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無償3DCADを試す ――そして時代は変わる?3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜(5)(1/3 ページ)

3次元CADは廉価なものやレンタル版、中には無償版(タダ)でも結構な機能なものも存在する。今回は無償の3次元CADでどこまでできるのか筆者がトライ。

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 特定のプレミアム品でない限り、あらゆるモノは値下がりする傾向にありますね。モノづくりのための道具も値下がり、あるいは値段が同じでも後継機の方が、進歩しているのは世の常。私が大好きなRP機もそうですね。200万円を切る(アメリカなら1万ドルを切るものも!)で、入手できる物でも、良い物が作れるようになっているし、「そこそこ」の出来でいいという“趣味な人”なら、キットで10万円台の物さえあります。

 しかし……。3次元のデータがなければ、RP機はただの箱。つまり、もっと3次元のデータが普及しなければ、RPも使えないわけですね。

 ところが、「3次元データを作る」というのがくせ者です。3次元データを作るのが難しい、という話をここでするつもりはないのです。そちらの話は別の機会に。そもそも、3次元データを作るための道具が高い! というところが問題です。家電量販店で売られるCGツールはさておき、3次元CADと呼ばれるものは高いですよね。やっぱり「CADでモデリングを!」と思っても、それなりのものは、それなりのお値段。特に3次元ツールが初めてなら、なおさらよく分からないものに金を使うのには、それなりの覚悟が必要でしょう。それは、個人も法人も同じ。

 と、思ったら、最近少し変わった動きも見られてきました。1つは、シーメンスPLMソフトウェア(日本法人はシーメンスインダストリーソフトウェア)の「Solid Edge Design Pad」。機能制限はあるものの、年間12万円で、機械もののモデリングであれば、かなりの部分大丈夫そう。そして、もう1つは?

 昨今、Facebook上で私の「友達」周辺でも、微妙に“タダ”(無償)の3次元CADの話題が盛り上がっている!? ……本当に盛り上がっているかどうかは別にして、それが「Autodesk 123D」。現在は、オープンβの状態で公開されています。今後どうなるのかはよく分からないのですが、新しいもの好きのワタクシとしては、早速ダウンロードして試してみました。

 どちらのCADも、それぞれの会社で何らかの意図があるのは確かですが、一ユーザーからして見れば、欲しかった道具に手が届くというのはありがたい。

 それに……、あらゆるものがあっという間に値下がりし、消費者としてその状況を享受している中で、3次元CADだけが例外ということもありえないでしょう。

 さて、最初は愛用中のMacで使用している「VM Ware Fusion」上のWindows 7にダウンロードしたのですが、ちょっと動作がモタモタしているので、あらためて仕事場のWindowsマシンにインストールし直しました。で、ダウンロードとインストールはあっさり完了。

 さて、起動……と思ったら動かない。グラフィックの問題か? いろいろといじくってみて最終的にはDirectXの問題だったので、それを片付けたらあっさりと動き出しました。

 ちなみに、Facebookをやっている人なら、Facebookページで「いいね」をクリックすれば、何か新しいコンテンツがアップされたときや、新しいモジュールのダウンロードが可能になるとニュースフィードにアップデートが掛かります。

 さて画面は、というと非常にシンプル。もはや普通のメニューがありません。迷いたくても迷わないでしょう。それでは、ここでそのメニューを少し紹介してみます。

図1
図1 Autodesk123Dの画面、メニュー

 普通の3次元CADで使用するようなコマンドはかなり網羅されていますね。ということで、早速何かをモデリングしてみましょう。別に設計じゃないので、お絵描きのごとく思い付くままに。

 ここでは、簡単な椅子(いす)を作ってみようと思います。座面は単純な押し出しコマンドで作ります。スケッチ面を指定して断面を描いていきます。表示の設定をすれば、設定されている拘束条件も表示されます。とはいっても、別に本格的設計用のCADではないので、そのようなものは期待しない方がいいでしょう。そもそも、3次元CADを触ったことのない人には何の違和感もないでしょう。

図2
図2 押出しで座面を作る

 断面が出来たら押し出します。この押し出しですが、距離を指定してもいいし、あるいは別の断面などが先に定義されていれば、「この面まで押し出し」という指定もできます。そうそう、フィレットなんかもありますから、ちょっと丸みを付けてみましょうか。

図3
図3 座面が完成

 これで1つ形状が簡単にできてしまいました。

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