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製造業のSNS活用の実際(1):

MONOistも参加してみた! 全日本製造業コマ大戦 (1/3)

あのコマ大戦にMONOistも参加してみた。今回は、茨城県日立市で開催。協力企業のお陰で、ひとまず素晴らしいコマが出来上がったが……。

[小林由美,@IT MONOist] [PC用表示]

 本記事では、2012年3月23日に茨城県日立市で開催されたひたち立志塾主催「ひたちより元気を発信! 〜中小企業sns活用シンポジウム〜」(SNS活用シンポジウム)の懇親会イベント「全日本製造業コマ大戦 茨城場所」(以下、コマ大戦 茨城場所)を紹介する。

 ひたち立志塾は、茨城県 県北地域(日立市、ひたちなか市など)の若手経営者を対象とした通年型ゼミナール。この地域は、2011年3月の東日本大震災で、震度6の揺れに見舞われた被災地でもある。これまでも、同メンバー(塾生、卒業生)による震災復興のイベントも実施してきた。

 コマ大戦 茨城場所の本戦に参戦したのは10チーム。

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シンポジウム会場の様子

 2012年2月にパシフィコ横浜の「テクニカルショウヨコハマ 2012」の展示ブース内で、初めてのコマ大戦を開催した神奈川県の異業種グループ「心技隊」は、ひたち立志塾のメンバーと以前から交流しており、震災復興も支援してきた。その交流においても、SNSが積極的に活用されてきた。

 横浜で開催した大会の盛況ぶりを見たメンバーたちは、当時企画していたシンポジウムの中でも開催しようと決めた。コマ大戦は、SNSによる中小企業横連携の特徴をよく表したイベント。シンポジウムのテーマにもちょうどマッチしていた。今回のシンポジウムの募集告知も、コマ大戦のエントリーもFacebook上で実施した。

編集部注:

  • 横浜で開催したコマ大戦は、テクニカルショウヨコハマとしてのイベントではなく、心技隊のブースイベントとして開催した。
  • コマ大戦 茨城場所は、正式な地方大会ではなく、試験的な開催である。


 今回は、コマ大戦の概要や決勝戦、そして今回参戦したMONOistチームのコマ製作の舞台裏について、次回は参戦したコマの数々を紹介していく。

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今回の行司(審判)も、このお方:モールドテック代表取締役 落合孝明氏
「全日本 製造業コマ大戦」とは何か?:
第1回 全日本製造業コマ大戦 記事一覧

コマ大戦のモチベーション

 MONOistの記事でも紹介したように、コマ大戦は、心技隊の隊長であるミナロ 代表取締役 緑川賢司氏の“ふとした思い付き”が事の発端だった。緑川氏がミナロの事業や心技隊の活動を通じて何年もかけて築いてきた人脈と、Facebook上での交流のシナジーで、コマ大戦の横浜大会が実現することとなった。

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心技隊の隊長であるミナロ 代表取締役 緑川賢司氏

 出場者のモチベーションの1つは、「自分の作りたいものを作る喜び」だった。参加者の多くは、客先から受ける仕事(請負)を主業務としている。自社製品開発に取り組む企業にしても、その比率が請負仕事に比べれば多いわけではない。

 連載「マイクロモノづくり〜町工場の最終製品開発〜」の中でも語られてきたことだが、自社製品開発というのは、やはり一筋縄ではいかない。また、加工業において「自分の作りたいものを作る」という機会は、そう多くはない。まさに「自分の作りたいものを作る」きっかけづくりをしたのが、コマ大戦だったといえる。

 しかも、自分が無理のない範囲で、「参加したい」という誰もが楽しめる大会となった。コマの製作そのものは、シンプルなものであれば加工はそれほど手間が掛かる物ではない。一方、そのシンプルなコンセプトのおもちゃの中に、自分の思想を存分に詰めて、設計に凝ることも可能だ。

 例えば業務に余裕がない人なら数分程度で精度よく作れるコマを、ある程度注力する時間や人員を割ける企業なら設計に凝ったコマを作ってみれば良い。凝ったコマだからといって、必ず勝てる保証があるわけではない。製作に時間がかけられなくても、勝つ可能性はある。その点も、「参加者の誰もが楽しめる」要因になっているようだ。

 また、このイベントがきっかけとなり、それぞれの地域で活動する製造業系の交流グループ同士が結び付くのも興味深い。

決勝戦は、群馬県 VS 長野県

 今回の全日本製造業コマ大戦 茨城場所には、SWCNを代表し、長野県塩尻市のコンサルティング会社のプロノハーツの代表取締役 藤森匡康氏と、同県伊那市の設計会社 スワニーの代表取締役 橋爪良博氏が参加した。SWCNのメンバーは、事前にコマの設計案を持ち寄り、その中から選抜したコマで勝負に臨んだ。そして同チームは、決勝戦に進出。


 その対戦相手は、「チーム義貞(よしさだ)」。ただし今回「2号」が付く。群馬県の製造業交流グループ「両毛ものづくりネットワーク」のチームで、横浜大会にも出場していた。「闘魂注入パフォーマンス」(南無八幡大菩薩)で場内を笑いで沸かせたチームだ(過去記事を参照)。

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チーム義貞の入場

 今回、ユニーク工業(群馬県太田市) 専務取締役 羽廣保志氏は、「南無八幡大菩薩」のノボリを頭に掛け、「闘魂注入」しながら登場した。

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ギプスを右腕に装着した橋爪氏

 一方、SWCNチームも濃いステージパフォーマンスで応戦。スワニ―の橋爪氏は、初戦からギプスを装着して登場。ただし決勝戦では、橋爪氏はこのギプスを取って戦いに望んだ。

 決勝戦は、隣県同士「群馬県 VS 長野県」となった。

 その対戦前には毎回、

「蝶のように舞い!」(羽廣氏)。

「蜂のように刺す!」(橋爪氏)。

と気合を入れ、両者の息もぴったり合っていた。ちなみに2人は当日が初対面で、すっかり意気投合。

ルール:

  • 競技台の外に出る、もしくは先に止まった方が負け
  • 2連勝した時点で試合終了する


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群馬県 VS 長野県:左はユニーク工業 羽廣氏、右はスワニー 橋爪氏
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 この決勝戦では、SWCNが勝利。見事、茨城場所の優勝に輝いた。

 横浜大会のとき、羽廣氏は、

多くの皆さんが『よく回るコマ』を作ってくるだろうと予想していました。なので、『回らずに、戦って戦って、そして敗れる』コマも1つぐらいあった方が、見ている人たちも楽しめると思いました。

 と言っていたこともあり、実際に結果も振るわなかった。それが、今回は決勝戦までに進み、闘魂注入した甲斐(かい)があったようだ。

 ともあれ茨城場所の決勝戦は、パフォーマンスとコマの性能、ともにレベルの高い対戦となった。次回以降のハードルが上がってしまった……といえそうだ。

編集部注:

チーム義貞2号とSWCNのコマの詳細については、次回以降で取り上げる。



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