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SマネジャーとO本部長、悩みは解決するのか!?S&OPプロセス導入 現場の本音とヒント(5)(2/3 ページ)

部門間のコミュニケーション不全、無意味な会議体に悩まされてきた2人。皆さんにも思い当たるところがあるのでは? 本格的な業務プロセス変革の前に、今回はストーリーを整理しておこう。

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S&OPに日本企業の注目が集まり始めた

 @IT MONOistでは、2009年10月にいち早くS&OPを取り上げ、「世界のバリューチェーンから日本がはじかれる!? S&OPに対応すべきこれだけの理由」に続いて、「S&OPの方法論」としてS&OPを概説した連載記事を6回にわたり紹介してきました。

日本の製造業界はなぜS&OPに注目しているのか?

 2011年ころから、日本でもようやくS&OPが注目されるようになってきました。これは、図3に示すS&OPのサブプロセスに影響を与える変動要因に対して起きている各種の事象にほかなりません。


図3 S&OPサブプロセスに影響を与える変動要因 2011年は震災や洪水といった自然災害、円高、欧州危機の影響が大きかった(参照:松原恭司郎『S&OP入門』(日刊工業新聞)掲載図版に加筆修正)

要因1:変動するバリューチェーン/サプライチェーン 世界の工場―中国における賃金の高騰、そして何よりも2011年3月に発生した東日本大震災、そして2011年10月にタイを襲った大規模洪水が原因で、部品の供給が不足したり、工場が被災し操業停止に追い込まれるなどサプライチェーンが寸断したことが挙げられます。また2012年に入って中東情勢の緊迫化で原油の供給ショックが取りざたされています。

 これらに対応すべく、中長期的には、材料調達先の分散、生産設備の西日本や海外への移転の動きが広まっており、またこのような供給能力の変化に俊敏に対応するグローバルな需給マネジメントとしてS&OPに注目が集まっていると考えられます。

要因2:激変するマーケット 日本のグローバル製造業にとって重要なマーケットである欧州の政府債務危機や長引く円高など、製造業を取り巻く経営環境の厳しさが増す中にあって、世界規模のマーケットの変化にアジャイルに対応できる需給マネジメントのプロセスとしてS&OPに注目が集まっていると考えられます。

要因3:S&OPプロセスを支援するITの普及 これらに加えて、EPM(企業業績マネジメント)やBI(ビジネスインテリジェンス)など、S&OPプロセスを支援する企業アプリケーション・システムの充実が挙げられます。

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