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画像処理とは?製造現場で役立つ「画像処理技術」入門(1)

製造現場における画像処理技術とは何か? その特徴や導入時のポイントなどをきちんと理解し、生産性向上に役立てていきましょう。連載第1回のテーマは「画像処理とは?」です。画像処理を製造現場で用いることのメリットを学びましょう。

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製造現場で役立つ「画像処理技術」入門

 本連載では、製造現場で用いられる画像処理技術にフォーカスし、その基礎・概要から、トレンド、導入事例に至るまでを詳しく紹介していきます。

 製造現場における画像処理技術とは何か? 本連載を通じ、その特徴やメリット、導入時のポイントなどをきちんと理解し、生産性向上に役立てていきましょう。連載第1回のテーマは「画像処理とは?」です。


画像処理とは?

 一般的に「画像処理」と聞くと、テレビや映画の世界で用いられているような“特殊効果”を思い浮かべる方も多いと思います。これは、撮影された画像を加工して、実際には撮影が困難(不可能)な画像を人工的に作り出す技術です。この場合、画像処理によって出力されるのは“加工された画像”です。

 一方、本連載でフォーカスする画像処理とは、製造現場などで用いられる工業用のもので、画像を加工することもありますが、最終的に出力するのは画像そのものではなく、対象物の位置や寸法といった“その画像の特性”です。ただ単に画像を加工するのではなく、対象物がどこにあるのかなどを探査する“考える仕組み”を備えています(図1)。つまり、ここでの画像処理には「脳(=考える)」の機能も含まれています。このことは、30年ほど前に、画像処理メーカーであるコグネックス社を設立したロバート J. シルマン(Robert J. Shillman)博士が、米マサチューセッツ工科大学で人工知能の研究をしていたことからも分かります。画像処理と脳には密接な関係があるのです。

画像処理で部品を検査
図1 画像処理で部品を検査(画像提供:コグネックス)

製造現場には特有の難しさがある

 製造現場などで用いられる画像処理には、特有の難しさがあります。ここでは1つの例として、「QRコード」を取り上げてみます。

 QRコードは、雑誌やカタログ、チラシ、ポスターなどでよく見掛けます。携帯電話機にも読み取り機能が備わっているので、試したことのある方も多いでしょう。そのほとんどが、平らできれいな紙に白黒はっきりと印刷されているQRコードを、携帯電話機で読み取るといったケースだと思います。読み取りやすい環境・条件であれば、携帯電話機にオマケ的に付いている機能でも正しく認識できます。

 QRコードに代表される2次元バーコードや一般的なバーコードは、製造現場でもよく使われており、部品のトレーサビリティー(追跡)に役立てられています。このような製造現場では、対象物に直接コードを刻印する場合が多いのですが、油で汚れたり、かすれた状態になったり、そもそもコードが曲面に刻印されていたりと、非常に悪条件にあります。当然、これらを携帯電話機で読み取ることは不可能です。ここは、工業用の画像処理の出番です。工業用の画像処理には、このような過酷な条件下においても、コードを正確に読み取れる性能が求められます。

製造現場で画像処理を用いるメリット

 画像処理を製造現場で用いるメリットはたくさんあります。人間と違って24時間365日、ひたすら対象物の検査をさせても文句ひとつ言いませんし、人間よりも速く、正確に寸法や位置を計測できます。これらは、品質向上に役立ちます。初期投資は必要ですが給与を払い続けることもありませんし、狭い場所にも取り付けられるため、人間のように働くための広いスペースもいりません。

 これらは最終的に、全て「お金」に直結してきます。画像処理を製造現場で使うことにより、生産コストを下げ、製品価値を高め、その結果、利益を増やすことができるのです。

 画像処理は、さまざまな製造現場で使用できます(図2)。半導体製造工程では、自動化を前提として製造ラインが作られているので、古くから画像処理を使って対象物の位置を計測して加工したり、パターンの検査を行ったりしています。電気・電子製品の組み立てでも画像処理が使われています。プリント基板に小さな部品を隙間なく張り付ける技術は、画像処理なしには実現できません。読者の皆さんがお持ちのスマートフォンも、画像処理によって組み立てられているのです。

製造現場
図2 製造現場(画像提供:コグネックス)

 自動車産業では、部品の寸法計測や不良品判定、組み立て、2次元コード読み取りなど、幅広い用途で使われます。特に、エンジンやステアリング系は安全に関わる重要な部品ですので、画像処理で念入りに検査されます。その他、食品、飲料、医薬品、化粧品では、製造年月日、消費期限の文字読み取り、パッケージの破損や不良のチェック、ラベルの印刷不良検査などに用いられます。食品や薬品は人間の体の中に入りますので、品質管理には特に神経を使います。また、製品そのものの性能(化粧品の効果など)に影響がなくても、パッケージにキズがあると、誰もそれを購入したがらないでしょうから、破損や不良のチェックなどが念入りに行われます。

 数えたら切りがありませんが、基本的に人間の目で行っていることの多くは、画像処理に置き換えられます。そして、繰り返しになりますが、“製造現場で使える性能”を備えた工業用の画像処理を利用することにより、企業は利益を向上させられるのです。



 さて、今回は製造現場における、工業用の画像処理の概要について解説しました。次回は「画像処理でできること」をテーマに、もう少し、工業用の画像処理について掘り下げていきたいと思います。お楽しみに! (次回に続く)


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