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「Creo 3.0」は日本では7月後半にリリース――PTCジャパンCADニュース

PTCジャパンは、米国では既に発表された設計ソフトの新版「Creo 3.0」の日本向け記者発表会を開催した。他社のCADデータがインポート可能になるなど、マルチCAD機能が強化された他、アイデアを活用する機能なども追加された。

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 PTCジャパンは2014年6月24日、設計ソフト「PTC Creo」(以下、Creo)の新版「Creo 3.0」の日本向け記者発表会を開催した。「Creo 3.0」は、米国では同年6月16日(現地時間)に米国マサチューセッツ州ボストンで開催された「PTC Live Global 2014」で発表されている(関連記事:PTC、「Creo 3.0」発表――CATIAやNX、SolidWorksのデータがネイティブで扱える)。

 PTCジャパン CAD事業部 営業技術部 テクニカルディレクターの芸林盾氏によれば、今回発表したCreo 3.0は「Unite Technology(マルチCAD環境の強化)」、「Empowering Innovation(構想・アイデアをそのまま実現する)」、「Core Productivity(より速くかつてない使いやすさを追求)」という3つのテーマで開発されたという。

マルチCAD環境の強化

 「Creo 3.0」の大きな特徴は、Creo以外のCADで作成したデータをより広く扱えるようになったという点だ。「SolidWorks」、「CATIA」、「NX」、「SolidEdge」、「Inventor」の主要な5つのフォーマットは、機能を追加することなくインポートすることができる。「SolidWorks」、「CATIA」、「NX」の3つのフォーマットについては、データをそのまま開くことも、「名前を付けて保存」することも可能だ。


PTCジャパンの芸林氏

 芸林氏は「このマルチCAD環境を実現するUnite Technologyは、特に2つの場面において役に立つと考えている。1つは、現在使っている複数種類のCADを全てCreoに統一していくといった場合。ある企業がCADのフォーマットを変更する際、全ての古いデータを一度に変換すると大きなコストが掛かる。しかし、Creo 3.0はUnite Technologyによって、必要なときに、必要なデータだけを開いたり変換することができるので、そういったコストを抑えることができる。もう1つは、さまざまな種類のCADを同時に使う必要がある場合だ。非Creoデータを、ネイティブデータのように管理/更新が行えるので、共同作業が必要な場合でも時間を短縮することができる」と語った。

Unite Technologyがもたらす効果のイメージ図(左)と、CADのデータ移行におけるコストと時間のグラフ(右)(クリックで拡大)出典:PTCジャパン

構想やアイデアをそのまま実現可能

 構想段階のアイデアを可視化することができる機能も強化された。「Creo Parametric」に含まれる「Freestyle」は、デザインとパラメトリック制御を組み合わせることが可能になった。2次元構想設計ツール「Creo Layout」は、大規模な構想設計を行う場合、複数人で同時に設計を行うことが可能になり、また、2次元の構想設計とそのデータを3次元パラメトリック環境で再利用することもできる。こういった実際に設計を行うための機能だけでなく、「Design Exploration Extension」と呼ばれるユーザーの設計プロセスを可視化することができる機能も登場した。これは、Creo Parametric上で設計過程の任意の地点を「チェックポイント」として保存していくことで、設計の過程を随時参照することができる機能だ。


Design Exploration Extensionの説明図(クリックで拡大)出典:PTCジャパン

 芸林氏は「今までは、どういった手順でこのような設計に至ったのかといった、作り手の思考回路を記録することができなかった。しかし、このDesign Exploration Extensionでは、ユーザーにデータを安心していじることができる安全な場所を提供することで、設計の選択肢やアプローチを検証することが可能になった」と話す。

 その他にも、日々の設計業務の負担を軽減し作業を効率化する機能の強化や、ヘルプシステムの使い勝手を改良するなど、生産性の向上が図られている。

 なお、Creo 3.0の出荷時期は2014年7月の後半にリリースされるという。

Creo 3.0を体験してみよう

 Creo 3.0は、東京ビッグサイトで開催される「第25回 設計・製造ソリューション展」(同年6月25日〜27日)のPTCジャパンブースで展示される。同社によればCreoは「1つのスペシャルなCADが何でもできる時代ではなく、ユーザーが自身の要望に沿ったツールを選んで使う時代に提供する設計ソリューション」だという。また、今回の展示について「現在のCreoの前身である、Pro/ENGINEERや、CoCreateなどのPTC製品を利用しているユーザーだけでなく、PTCユーザー以外の方にも確実に興味を持ってもらえると考えている」としている。

第25回 設計・製造ソリューション展(DMS2014)

会期 2014年6月25〜6月27日 10:00〜18:00 ※最終日のみ17:00終了

会場 東京ビッグサイト

PTCジャパン ブース情報

東ホール(小間番号:14-42)


第25回 設計・製造ソリューション展特集

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