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「S660」はなぜ軽自動車になったのか車両デザイン(1/3 ページ)

ホンダが2015年4月より発売すると発表した「S660」は、19年ぶりの復活となる同社の軽オープンスポーツカー。本格的な走行性能を追求しながらも、幅広いユーザーに向けた“手の届くスポーツカー”を目指したという。

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 ホンダは2015年3月30日、東京都内で会見を開き、2人乗り軽オープンスポーツカー「S660」を同年4月2日に発売すると発表した。1996年まで生産していた「ビート」以来、19年ぶりにホンダの軽オープンスポーツカーが復活した。「Heart Beat Sport」をテーマに、ミッドシップ・リアドライブ(MR)の本格的なスポーツカーとして、ホンダらしい走る喜びの実現を目指したという。価格は税別198万円からで、月間販売目標台数は800台。

 S660の外形寸法は、全長3395×全幅1475×全高1180mm。エンジンはホンダの軽自動車「Nシリーズ」にも採用されている、直列3気筒DOHCターボエンジンを搭載した。ターボチャージャーはS660専用に新設計のものが採用されている。これに同じく新開発となる6速MT、もしくは7速パドルシフト付きのCVTを組み合わせる。なお、JOC08モードの走行燃費は車両重量830kgの6速MT車が21.2km/l(リットル)、同850kgの7速CVT車の場合が24.2km/lだ。


ボディカラー「フレームレッド」の「S660」(クリックで拡大)
正面、側面、斜め後方から見た「S660」(クリックで拡大)

 6速MT車は、最高許容回転数がCVT車より700rpm高い7700rpmに設定された。ホンダが「軽自動車への搭載は初めて」としている新開発の6速MTは、各ギヤ比の差を小さくし、エンジンの回転数をいつでも有効なトルクバンド内にキープしやすくなるよう設計されている。2速でレッドゾーンの7700rpmまでエンジンを回転させた場合、時速75kmまで加速が可能としており、ワインディングロード(カーブが連続する道路)の常用域である時速30〜60kmは2速だけでカバーできるよう設計されている。「S660の2速はビートの1速とほぼ同じ加速性能」(ホンダ)になるという。

 また、スポーツカーらしい迫力あるエンジンサウンドを実現するため、吸排気音やターボチャージャーの作動音などに独自のサウンドチューニングも行われている。エンジンや6速MTとともに、スポーツカーとしての走る楽しさが追求された。

「S660」のシート部分(左)と車両前部の荷室部分(右)。ミッドシップということもあり、専用の荷室はこの部分のみとなっている(クリックで拡大)
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