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「Googleに負けない」国産ロボットタクシーは自動送迎だけにあらずロボットタクシー

DeNAとZMPが無人自動運転車を導入する「株式会社ロボットタクシー」(仮名)の事業概要について説明した。“乗客のための自動運転”を掲げ、「DeNAはユーザー体験の提供でGoogleに負けているとは思っていない」と独自の付加価値を提供する考えだ。

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 ディー・エヌ・エー(以下 DeNA)とZMPは2015年5月28日、両社が同年5月12日に同意したロボットタクシー事業についての記者説明会を開催、設立を発表した「株式会社ロボットタクシー」(仮名)の事業概要について説明した。

 新会社はZMPの自動運転技術とDeNAのインターネットサービスにおけるノウハウを連携させることで、自動運転技術を活用した“ロボットタクシー”や“ロボットバス”の実現に向けての研究開発、事業化を行う。第一弾の取り組みとして、自動運転技術の向上とサービスモデルに関する実証実験を行う予定としている。

 ロボットタクシーにおける自動運転は“ドライバーのための運転支援”ではなく、“乗客のための運転提供”であることが大きな特徴だ。運転ができない高齢者の送迎や、過疎地での交通手段など純粋な交通手段として提供する他、物流や観光、車内エンタメなども取り込むことで、自動車を移動手段・インフラとする多種多彩な産業への波及を狙う。

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ロボットタクシーの理念
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サービス拡張の予定

 「自動運転技術は既に完成が見えており、これからはユーザーにどのような体験を提供できるかの競争になる。DeNAはユーザー体験の提供でGoogleに負けているとは思っていない」(DeNA 執行役員 中島宏氏)

 本サービスに自動運転技術を提供するZMPの代表取締役社長 谷口恒氏は2015年5月20〜22日に開催された自動車技術に関する展示会「人とくるまのテクノロジー展2015」において「自動運転技術のレベル4に国内で先駆けて取り組みたいと考えていた」と意気込みを語り、2015年秋にはRoboCarシリーズの最新モデル「RoboCar MINIVAN」を本サービスの実証実験に提供できるだろうとしていた。

 サービス開始については、「自動運転レベル4の実証実験」を皮切りに、「ロボットタクシーとしてのサービス検証」「サービスの実運用開始」「利用可能エリアの拡大」と、ステップを踏んでゆく。実運用開始の時期について中嶋氏は明言を避けたが、「ZMPの谷口社長と2020年の東京オリンピックで披露できたらいいですねと話しました」と2020年には何かしらの成果を見せる計画であることを明らかにした。 

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中島氏が示したビジネスモデル
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DeNA 執行役員 中島宏氏(左)とZMP 代表取締役社長 谷口恒氏(右)

 DeNAは自動車業界参入について中島氏は「ビジネス規模の大きさ」「進むITと自動車の融合」の2点を挙げ、付加価値の源泉はハードウェアからソフトウェア(サービス)に移行しつつあり、自動車に関していえば車体の性能から、車に乗ることで得られるサービス(体験)が重視される時代になりつつあるからこそ、インターネットサービスを本業であるDeNAが参入する意味があると主張した。

 なお、DeNAは同日、スマートフォン向けカーナビゲーションアプリ「ナビロー」を発表した。ルート案内について、交通量に応じて随時リフレッシュし(約5〜15分に1回)最短時間で到着するルートを提示するのが最大の特徴で、ドライブレコーダー機能やオービス設置場所案内、おすすめドライブコースをダウンロードする機能なども備えている。徒歩用のルート案内や電車乗り換え案内の機能も用意されている。対応OSはiOS 7.0およびAndroid 4.0.3以降となる。

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