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マルチボディシミュレーションの雄「SIMPACK」、ダッソーはどう生かすのか設計開発ツール(1/2 ページ)

ダッソー・システムズが買収した、高速演算性能を特徴とするマルチボディシミュレーションツール「SIMPACK」。自動車、鉄道、航空宇宙、風力発電などの業界で広く利用されているSIMPACKだが、「Abaqus」をはじめとする同社のSIMULIA製品群とどのように連携していくのだろうか。

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 ダッソー・システムズは2015年8月27日、東京都内で会見を開き、同社グループの傘下に入ったマルチボディシミュレーションツール「SIMPACK」について説明した。

 マルチボディシミュレーションツールとは、複数の部品が互いに結合して構成される機械システムの動きや、動きの過程で発生する力について解析を行うツールのことだ。SIMPACKはこのマルチボディシミュレーションで有力なツールとして知られている。競合としては、MSC Softwareの「Adams」や、Siemens PLM Softwareの「LMS Virtual.Lab Motion」、FunctionBayの「RecurDyn」などがある。

 SIMPACKを扱うドイツ企業のSIMPACK GmbH(当初の社名はINTEC GmbH)は1993年に設立された。SIMPACKそのものは、1987年にドイツ航空宇宙センター(DLR)と商用車大手のMANが共同で開発したツールだったが、1993年にDLRからスピンオフする形で独立した。その後、自動車、鉄道、航空宇宙、風力発電など採用業界を拡大。そして2014年7月に、CAE製品群の拡充を進めていたDassault SystemesのSIMULIA事業の傘下に加わる形で買収された(関連記事:ダッソー、マルチボディシミュレーションが強みの独シムパックを買収)。

マルチボディシミュレーションの概要(左)とSIMPACKの沿革(右)(クリックで拡大) 出典:ダッソー・システムズ
シムパックジャパンの松井純氏
シムパックジャパンの松井純氏

 SIMPACKの最大の特徴は、「相対座標系を使ったコンパクトな方程式に基づいた独自アルゴリズムによる業界トップクラスの計算速度」(シムパックジャパンでテクニカル・シニア・マネージャーを務める松井純氏)だという。この他、自動車、鉄道、航空宇宙、風力発電といった業界ごとに特化したモジュール展開による豊富なモデリング要素や、2011年に刷新したユーザーインタフェース、ダッソー・システムズ製品を含めた他ツールとの連携機能などがある。

 SIMPACKの導入状況は、全世界で130社以上、ユーザー数で2000以上となっている。ユーザーのうち自動車・エンジンが56%を占め、「業界内のデファクトスタンダードになっている」(松井氏)という鉄道が22%、ドイツで盛んな風力発電が12%、残り10%が航空宇宙などとなっている。

「SIMPACK」の特徴
「SIMPACK」の特徴(クリックで拡大) 出典:ダッソー・システムズ
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