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工業用バーコードとは何か?いまさら聞けない工業用バーコードリーダー入門(1)(1/2 ページ)

製造現場におけるワークや工具の管理など、自動化の大前提として工場を支えている工業用バーコード。本連載ではあらためて、工業用バーコードの基礎的な知識をおさらいします。第1回は工業用バーコードとは何かを紹介します。

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バーコードとは

 バーコードは、製品や包装、部品などに付ける機械が読み取り可能なパターンである。スーパーマーケットなど小売業で商品に付けられていることでよく目にするバーコードだが、商品管理の目的で使用される他、情報提供や宣伝目的で利用したり、最近では製品ライフサイクルを通して追跡したりするための手段としても使用されている。

 もともと、バーコード技術の特許が取得されたのは1952年のことだった。しかし、当初はなかなか使用されることがなかったという。現在のような使い方は、1974年にオハイオ州のスーパーマーケットであるMarsh Supermarketsで、Wrigleyのチューイングガムに使われたのが最初だったといわれている。

 現在では、さまざまな形式のバーコードが使用されている。単純な線が並んだだけの1次元(1D)バーコードや、ドットと正方形で構成される2次元(2D)コードがある。QR(Quick Response)コードとデータマトリックスコードは最もよく使われる2次元コードである。最新の2次元コードには、1次元コードを大きく上回る量のデータを保存できる。これは1次元コードではデータを水平方向にしか記録できないのに対して、2次元コードには、水平、垂直の両方向に情報を格納できるからだ。

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図1:1次元および2次元コードのフォーマット

1次元コードを読み取るレーザースキャナー

 以前から、1次元バーコードの「読み取り」にはレーザスキャナーが使用されている。レーザースキャナー技術は、レーザ光線を回転するプリズムに当ててバーコードに照射し、センサーを使って反射光の強さを測定し、黒いバーと白いバーを区別するというものである。

 ただ、このスキャン方法にはいくつかの制約がある。例えば、航空機や自動車、食品、医薬品など、一般消費財や産業向け部材などにかかわらず、さまざまな用途で2次元コードの使用が増えているが、これらの2次元コードをレーザスキャナーでは読み取ることができない。レーザスキャナーが使用しているミラーやプリズムは機械的に可動するため摩耗が発生する他、衝撃や振動により損傷する可能性もある。

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図2:レーザベースのバーコードスキャナー
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