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「Bluetooth Mesh」が家電のIoT化を加速するIoT観測所(36)(1/3 ページ)

メッシュ接続が可能なBluetoothである「Bluetooth mesh」の仕様が策定された。既に利用されているZigBeeやZ-Waveなどのメッシュネットワークと異なるのは、Bluetoothを搭載するスマートフォンやタブレット端末をコントローラーとして利用できる点だ。

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 2017年7月19日、Bluetoothの仕様策定を行っているBluetooth SIGは「Bluetooth mesh(正式にはMesh Networking Specification)」をリリースした。今回はこのBluetooth meshを紹介しよう。

Bluetooth Meshのイメージ
Bluetooth Meshのイメージ(クリックで拡大) 出典:Bluetooth SIG

 もともとBluetoothをメッシュ接続にしたいという要望はかなり昔からあった。家電製品を無線通信で接続しようとすると、Wi-Fiや従来方式のBluetoothで住宅内をカバーするには無線通信の到達距離の問題があってかなり難しい。比較的パワーがあり、消費電力のことをあまり考えていないWi-Fiですら、場合によってはリピーターを介さないと全ての部屋を網羅するのは難しい。ちなみにここで言う「住宅」は、日本の1LDKのマンションとかではなく、アメリカンサイズの、場合によってはそのサイズがさらに2階建になっている住宅(日本的な感覚で言えば邸宅とか豪邸に分類されてしまいそうな規模だが、米国では一般的な大きさ)のことである。

 こうした用途に向けて昔から、ZigBeeあるいはZ-Waveといった規格が制定されており、これを利用した家電製品も次第に増えつつある。ZigBeeはIEEE 802.15.4に準拠した2.4GHz帯を、Z-Waveは900MHz帯のISMバンドをそれぞれ利用し、メッシュ構造による無線通信で接続することで、住宅内をフルカバーできるような仕組みを整えた。ZigBeeをベースに構築されるThreadも、やはりメッシュ構造をサポートする。

 ZigBeeやZ-Wave、Threadの課題になっているのが、これらの無線通信規格に対応する「手軽な」ユーザー向けコントローラーの不在である。スマートフォンにIEEE 802.15.4のRFを入れるという案は幾つかのメーカー(ただしスマートフォンメーカーではなく、ZigBeeなどのコントローラーのメーカー)が提案しつつもいまだに実現していない。スマートフォン向けのSoCにIEEE 802.15.4のRFも入る(Wi-Fi/Bluetooth用の2.4GHzの無線通信機能にIEEE 802.15.4の機能を付加する)案も可能性としては示されたものの、現実にはそうした製品が無い。

 Z-Waveの方も同じで、例えばこういう製品もあったが、既に現行製品でなかったりするのは、やはりあまり売れなかったためだろう。

 そこで、手元のスマートフォンなどの機器を使い、手軽にメッシュネットワークを構築して家電製品をつなげるための取り組みを幾つかのメーカーが行った。そのうちの1つがポーランドのSilvair(旧Seed Lab, Inc.)である。

SilvairのWebサイト
SilvairのWebサイト(クリックでWebサイトへ)

 同社はBluetooth Smartをベースに、メッシュネットワークを構築することを考えた。具体的には、Bluetooth Smartのスタックにメッシュネットワークのサポートを追加したもので、これにあわせてGATT(Generic Attribute Profile)もメッシュ向けに若干拡張されている模様。ただし、後方互換性は保たれており、Bluetooth 4.0以降に対応した既存のアプリケーションは、そのまま従来通りのポイントツーポイントでの通信が可能になるとする。

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