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最近のJISだと「寸法公差」ではなく「サイズ公差」なのはなぜか3D設計推進者の眼(26)(2/4 ページ)

機械メーカーで3D CAD運用や公差設計/解析を推進する筆者から見た製造業やメカ設計の現場とは。今回はJIS製図における「サイズ」「サイズ公差」「幾何公差」について考える。

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どこからどこまでなのか

 ここまでは、設計者の私が、例えば「100mmの長さの部品を必要だ」といったように、その大きさを定めているということです。それでは、この大きさはどこからどこまでを示すのでしょうか。そもそもその大きさを決める位置と、その測定ができなければ、その大きさそのものにも意味はなくなってしまいます。


さまざまなサイズ

 JISの添付図には、これまで何げなく寸法として図面に記入していた寸法値・サイズを決める場所がそこに記されています(お手元のハンドブックなどでぜひ確認してみてください)。しかし私自身は、なかなか難解に思いました。ぜひ正しい指導者の下で教えていただきたいものだと感じています。

 部品図を描くときに、あえて“いびつ”な形状で描く設計者はいません。円筒形状であっても、相対する二平面でも、正しい形状に描きます。この規格は測定方法にもつながるものでしょう。ただ、この“いびつ”具合というものは、次への話題につながります。ぜひ、一度JIS規格を見ることをお勧めします。

 最初にお話ししましたが、会社の機械要素JIS要覧がもし更新されていないようであれば、ぜひ更新して、その中身を眺めてみましょう。

「寸法」の記入方法

 さて、繰り返し「サイズ」という語句を用いてお話してきましたが、ちょっと違和感があるかもしれませんね。以降は、「大きさを取り扱わない概念」として「寸法」という語句を用いて話を続けさせてください。

 さて、寸法ですが皆さんどのように図面に入れますか? ここでお話ししたいのは、「寸法の入れ方による設計者が求める機能とその表現方法」についてです。


ハイライト面の寸法表示

 こんな部品があったとします。青色にハイライトされた面の寸法は示す時、どのように設計図上で表現するのでしょうか。機能優先で考えてみます。私は次の3タイプを考えてみました。


タイプ1


タイプ2


タイプ3

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