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スマート工場を支える“現場力”に再注目が集まった2017年FA 年間ランキング2017(2/2 ページ)

2017年に公開したMONOist FAフォーラムの記事をランキング形式で振り返る。公開記事の1年間分のデータを集計した上位記事とそこから見えるFA業界の状況について紹介する。2016年に続き、トップ10のほとんどがIoTなどスマート工場に関する話題となったが、工場での実導入の成果についての記事が増えていることが特徴だ。

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1〜10位のランキング

 第1〜10位については、以下のランキング表から確認していただければと思います。

スマートファクトリーは大企業だけのものではない

 4位以下で気になった記事について紹介します。2017年の記事も多くがスマート工場に関するものでした。しかし、スマート工場への取り組みは大企業のものだけではありません。それを身をもって示した記事が7位にランクインした「IoTは町工場でも成果が出せる、市販品を次々に活用する旭鉄工の事例」です。

 旭鉄工は、自動車のエンジン、ブレーキ、トランスミッションなどの部品を製造するメーカーで、年商は158億円(2015年度)で従業員は480人という中堅製造業です。同社では、TPS(トヨタ生産方式)のツールとして生産管理板を導入しましたが、従業員の負担が大きかったといいます。そこで、自動化を計画し、自社でIoTによるシンプルな「製造ライン遠隔モニタリングシステム」を作り上げました。スマートフォンや汎用ディスプレイなどを組み合わせたシンプルなシステムで、大幅なコスト削減を実現しました。さらに旭鉄工のすごいところは、作り上げたシンプルなIoTパッケージを、自社の新たなビジネスとして販売し始めたところです。IoTやスマート化などの動きはあらゆる企業に等しくチャンスをもたらしているということをあらためて示しています。

 もう1点、触れたいのが、9位に入った「製造業をカイゼンできるのはIoTだけじゃない、“からくり”がもたらす安全と効率」です。同記事は「からくり改善くふう展2016」の内容を紹介した記事です。

 スマート工場化は明確な流れだといえますが、IoT活用だけが全てではありません。スマート工場化は通信コストや電力コストなども大きく発生します。そういう意味で、これらを“工夫”だけで解決する「からくり」は最も“エコ”な改善手法だといえるのかもしれません。IoT化などは重要な動きですが、日本が強いとされる「現場力」は自分達で“からくり”を考え出し、これらを形にするような工夫の力で、難しい生産品質などを実現してきたことで、育まれてきました。最新のテクノロジーは追い続けていくとともに、こうした人に根づいた力の価値などもMONOistでは引き続き、積極的に取り上げていきたいと考えています。

2017年の総合トップは?

 さて、ここまで2017年公開記事のランキングを見てきましたが、MONOist FAフォーラムの記事全ての中で2017年に最も読まれた記事は何なのでしょうか。

 答えは「いまさら聞けない EtherCAT入門」になります。これは2016年に続いて、2年連続です(※)

(※)関連記事:スマート工場化が加速した2016年、EtherCAT対応やFIELD systemなどに注目

 2016年公開記事の1位になった「トヨタが工場内ネットワークでEtherCATを全面採用、サプライヤーにも対応要請」で示された通り、トヨタ自動車のEtherCAT採用の動きが多くの製造業でも注目を集めています。この動きの中で「EtherCAT」への注目は高止まりしているといえるでしょう。

 ちなみに2位には「いまさら聞けない産業用ロボット入門〔前編〕」が入りました。2014年公開記事ですが、2017年は国際ロボット展の開催年でもあり、あらためて注目を集めたといえるでしょう。3位には「ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】」、4位には連載「いまさら聞けない第4次産業革命」の中から「第4次産業革命って結局何なの?」が入り、この産業の変化の動きに対する関心は継続して高さを維持しています。

 2017年もスマート工場化への動きは非常に強いものがありました。2018年はどのような1年になるでしょうか。MONOistでは引き続き、スマート工場を含む製造現場の将来像についてさまざまな角度で情報発信を続けていきます。

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