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「カイゼン」と「デジタル化」の相性は良い、GEとOKIの場合MONOist IoT Forum 東京(3)(2/3 ページ)

MONOistを含むITmediaの産業向け5メディアは、セミナー「MONOist IoT Forum in 東京」を開催した。同セミナーのレポートを3回に分けてお送りする。第3回はスマートファクトリートラックの講演内容をお伝えする。

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OKIが描く多品種少量生産に対応するモノづくり

 クロージング特別講演で登壇したOKIの宮澤氏と、OKI 統合営業本部第三営業本部マーケティング&サポート第二部長の津田正彦氏は「OKI Style〜OKIのモノづくりへのこだわり」をテーマに現場での改善活動などについて紹介した。

 OKIの歴史は長く創業は1881年となる。第2次大戦前は通信機器の製造をメインに行っていたが、戦後は通信からコンピュータ、自動化機器、OA機器などを製造し、現在は銀行のATMや空港のチェックイン機などの自動化機器とプリンタなどが大きな事業となっている。

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OKI 執行役員 統合営業本部 第三営業本部長の宮澤透氏

 実はOKIは多くの製品を世に送り出した“モノづくり企業”であり、日本で最初の電話機を作った他、ファクシミリ、LEDプリンタ、ミニコンなど、その時代に新しい製品を相次いで生み出してきた歴史がある。こうしたモノづくりに関する強い思いをベースとし、最近ではEMS(電子機器生産受託サービス)事業にも参入し、強みを発揮している。「多品種少量生産、そして高品質、高信頼性を大きな特徴としている」と宮澤氏は述べている。

 同社には国内に主要工場が4カ所あり、このうちメカトロシステム工場(富岡工場/群馬県富岡市)では「IoT活用による組み立て支援システム」を導入し、生産活動の改善に取り組んでいる。

 富岡工場は金融市場向けのATMや流通業界向けの現金処理機、旅客交通市場向けの発券端末などを生産している。メカトロ生産における部品製造から出荷梱包までの一貫の生産工場として、生産品目は多品種少量であることが大きな特徴だ。これらの製品の、組み立て支援として、作業者の早期習熟、製品組み立て品質の安定、継続的な組み立て作業改善・改革を図るため、IoTを活用した組み立て支援システム「プロジェクションアセンブリーシステム(PAS)」を開発・導入した。

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OKI 統合営業本部第三営業本部マーケティング&サポート第二部長の津田正彦氏

 これまでの富岡工場における組み立て作業では、手順や注意事項を書いた作業指示書を見ながら作業員は作業を行い、そのあとでチェックシート(作業履歴の記録)を記入するという作業方法を取っていた。その場合「新人などは作業指示書通りに習熟するまでに時間がかかり、部品の配膳、チェックシートの記入なども含めて組み立て以外の非付加価値作業が多くなっていた。さらに、現作業の延長では大きな効果が得られないという状況だった。この課題を解決するためシステムの導入により改善に着手することになった」とOKIの津田氏は語る。

 この非付加価値作業の排除と同時に、組み立て作業のサポートを実現できる生産システムとして開発したのが「PAS」である。「PAS」は、プロジェクションマッピング作業棚をベースにしたシステムだ。プロジェクターとUSBカメラを用いて、プロジェクターが次にどの部品を取るかなどを光で作業誘導するなどの指示と作業ガイダンスを行うことで、組み立てミスを防止している。また、部品取り出し確認用のUSBカメラを活用して作業映像を取得する。さらに、部品取り出しデータにより、ばらつきの大きい作業を抽出する。これらの作業映像の活用で、短時間でムダ取りを実現した。システムの導入により、同工場では「1年間で生産効率は65%改善した。多品種少量製品組み立ての生産効率および品質向上に結びついている」(津田氏)としている。

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OKIの「PAS」

 この他、プレス加工向け金型の劣化をAI(人工知能)関連技術を用いて行う事例なども紹介。有償の評価キットなど社内のノウハウを積極的に外部に販売していく方針を示している。宮澤氏は「現場の取り組みを製品にしていく。フィールドで何が必要とされているかを顧客とモノづくり現場、技術の三位一体で解決していく」と今後の取り組みについて述べている。

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