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ニチコンがEV向けワイヤレス充電システム開発に注力、2021年にも市場投入へオートモーティブワールド2018

クアルコム ジャパンとニチコンは、「オートモーティブワールド2018」の会場内で会見を開き、クアルコムの「Halo」を用いたEV向けワイヤレス充電システムの開発状況について説明。「顧客の需要次第ではあるものの、当社の意気込みとして2021年ごろには市場に出したい」(ニチコン)という。

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 クアルコム ジャパンとニチコンは2018年1月17日、「オートモーティブワールド2018」(2018年1月17〜19日、東京ビッグサイト)の会場内で会見を開き、クアルコム(Qualcomm)の「Halo」を用いたEV(電気自動車)向けワイヤレス充電システムの開発状況について説明した。

会見に登壇したニチコンの杉下豊氏(左)とクアルコム ジャパンの小沢幸雄氏(右)
会見に登壇したニチコンの杉下豊氏(左)とクアルコム ジャパンの小沢幸雄氏(右)

 両社は2017年7月、ニチコンがクアルコムから、Haloのワイヤレス充電技術や、ワイヤレス充電に問題になる異物を検知する技術などを活用するためのライセンス契約を締結している。クアルコム ジャパン ビジネスディベロップメント シニアディレクターの小沢幸雄氏は「既にクアルコムからニチコンへの技術やノウハウ、レファレンスなどのトランスファーが進んでいる。ニチコンにおける試作開発も間もなく始まるだろう。ワイヤレス充電システムの商品化は平たんな道ではないと思うが、ともに坂を一歩ずつ上っていきたい」と語る。

 ニチコン NECST ビジネスストラテジーオフィス リーダーの杉下豊氏は「当社はこれまでEV向けでは有線の充電システムを事業展開してきた。ワイヤレス充電システムは、有線の充電システムと共存しつつ、EVのベネフィットになるだろう。実際のクルマに採用されたといえる日が早く来ればと考えている」と述べる。その上で、実用化時期については、「顧客の需要次第ではあるものの、当社の意気込みとして2021年ごろには市場に出したい」(杉下氏)とした。

 この他、最大の課題とされる異物検知技術については「Haloでは、送電コイルの上に載せた別のアレイによって、ワイヤレス充電を阻害する異物を検知するためのアルゴリズムを早くから開発してきた。ニチコンへの技術トランスファーでも、異物検知技術が大きな割合を占めている」(小沢氏)という。

 ワイヤレス充電システムはコスト面でも課題が指摘されている。杉下氏は「当初は導入しやすいコストにはならないことは確かで、高級車向けで始まるだろう。ただし、クルマと住宅の間で電力をやりとりするV2H(Vehicle to Home)をストレスなく行うには、自動運転技術に加えてワイヤレス充電システムが不可欠だ。そういったユーザーの利便性を第一にして、普及に結び付くようにしていきたい」と述べている。

クアルコム ジャパンが展示した「Halo」のデモ
クアルコム ジャパンが展示した「Halo」のデモ(クリックで拡大)

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