マイケル・E・ポーター氏の提唱する競争戦略論の基礎をなすコンセプトで、競争を生み出す5つの要因にうまく対応し、企業の収益性を拡大する攻撃的または防御的な施策には、
・コストのリーダーシップ
・差別化
・集中
という3つの基本戦略があるとする。これらは個別に実施することも、組み合わせて実施することも可能である。
コストのリーダーシップとは、効率化や生産性を追求することで他社より低いコストを獲得し、それを製品価格に反映させて販売数を伸ばしたり、あるいは他社と同じ価格で販売することで業界平均以上の収益を目指す戦略。規模の経済に依存する傾向にあるため、戦略導入当初の赤字は覚悟しなければならない場合が多い。
差別化とは、他社より優れた性質(品質、アフターサービスの充実、ブランドイメージなど)を獲得することで、価格競争に巻き込まれるのを避け、平均以上の収益を目指す戦略。一般に差別化を目指す場合は、R&Dへの投資増大や品質改善などで高コストとなることが多い。また、差別化は一部の顧客ニーズに絞り込んだ戦略となりやすいため、市場シェアを落とすこともある。
集中とは、企業の経営資源を特定の顧客ニーズや特定の地域、特定の製品などに絞り込んで競争優位を獲得する戦略である。集中戦略は常に市場シェア拡大とは相反するが、この戦略がうまくいくと差別化やコストのリーダーシップを同時に獲得できる可能性がある。
3つの基本戦略はポーター氏の主要コンセプトの1つであるが、1990年に刊行された『国の競争優位』以降この言葉を使わなくなり、代わって
・コストのリーダーシップ戦略 vs. 差別化戦略
・競争範囲を広く取る vs. 狭く取る
となったという指摘もある(中辻萬治:『新訂 競争の戦略』の訳者あとがき参照)。
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