連載
» 2005年11月15日 00時00分 公開

組み込み開発にUMLを活用しよう(1):UMLは組み込み開発を成功させる救世主 (1/3)

肥大化/複雑化する組み込み開発のさまざまな問題は、UML 2.0を用いたモデル開発を導入することで解決可能である

[塚田 雄一 キャッツ,@IT MONOist]

はじめに

 組み込み開発における開発規模は日々、肥大化/複雑化の一途をたどっています。人海戦術による対応は限界に達し、これに代わるさまざまな解決策が模索されています。皆さんも肥大化/複雑化する組み込み開発に対して、何とか今後の対策を考えなくては、と思われているのではないでしょうか?

 本連載では「UML」による解決策を紹介します。筆者が参加するUMTP(UMLモデリング推進協議会)のモデル共有部会「組み込み分科会」では、UMLを組み込み開発に適用するためのノウハウをディスカッションしてきました。またUMLを適用するためのガイドラインとして「リファレンスモデル」を作成しています。この成果を基に、「UMLを組み込み開発に適用するノウハウ」に関して、3回の連載で紹介します。第1回は「UMLと組み込み開発の関係」、第2回は「UMLの組み込み開発への適用ポイント」、そして第3回ではUMTPで作成中のリファレンスモデル「エレベータのモデル」を紹介します。

UMLとは?

 UMLとは「Unified Modeling Language」すなわち「統一モデリング言語」の略です。言語といっていますが、簡単にいうと「図」を用いた表記法になります。

 話はいきなり飛びますが、先日家で子供と一緒にアニメーション映画の「トムとジェリー」を見ていて気が付いたのですが、海外のアニメを何の違和感なく観賞している自分がとても不思議に思えました。動物のアニメなので当たり前ですが、ほとんど言葉(会話)はなく、多くは絵と動きで表現されています。そのとき、絵と動きは世界共通の言語であると、あらためて確信しました。この絵(図)で表現するということは、UMLで行っているのと同じです。実はこのとき、ちょっと感動してしまいました。

 ここで1つお断りしておきますが、UMLはあくまで表現するための手段であり、あくまでも重要なのは、どのように表現(モデリング)するかであり、使い方が重要であるということに注意してください。

ソフトウェア開発における開発言語の歴史

 ソフトウェアの歴史は、マシン語から始まり、その後、開発者(人間)の理解できる言語(アセンブラ)で開発が行われるようになりました。さらにソフトウェア工学に基づいた構造化言語(C言語)に移行し、開発規模が拡大すると品質や開発効率に優れたオブジェクト指向型言語(C++/Java)に進化していきました。そして現在、ソフトウェア開発は、さらに複雑化され複数人で開発が行われるのは当たり前の時代になり、モデル開発の時代が到来したといってもよいでしょう(図1)。

ソフトウェア開発の歴史 図1 ソフトウェア開発の歴史

 またUMLの最新バージョンである「UML 2.0」には、モデルからソースコードを生成する開発ツールの力を借り、モデルによりすべての開発を行うようにするという構想があります。近い将来、設計はすべてモデルベースで行われる時代が来るかもしれません。

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